健康志向 新聞記事から
2月28日日経5面
「健康志向行き過ぎに異議」拓大教授渡辺利夫氏
(要約)
検査技術の発達で、健康か病気かをきっちり分けていつも健康でいたいという状態は一種の神経症である。
バブル経済崩壊でより豊かになるという外向きの目標を失ったため、健康への執着という内向きな傾向が顕著になっている。サプリメント市場の規模がODAと同じ1兆円と聞くと何だか妙である(注:う~んさすが経済学者!)。
健康と病気の間にグレーゾーンがあることを認めること、仕事をはじめとした自己実現に価値を見出すこと、人生を「お勤め」、死ぬことを「お迎え」と呼んでいた日本の伝統的な死生観を取り戻すことが大切ではないか。
(感想)
健康をより強く求める傾向は、検査技術の発達と関係していると私も感じる。しかしそれはバブル崩壊によってより顕著になったというよりも、日本人のグレーゾーンを認めたがらない国民性によりより顕著になっているのだと私は思っている。
しかしそれを逆手にとった商売が横行しているのを医師として止められないのは大変に歯がゆい。私に(われわれに?)ほとんど知識がないからである。代替医療の分野を少しずつであっても勉強し、世間に意見していく態度がこれから医師には求められていくのではないだろうか。
サプリメント市場が1兆円なのはちょっと行き過ぎではないかと私も感じた。
2005年03月06日