アレルギー性鼻炎、花粉症の治療戦略

昨日は大鵬薬品工業(株)から依頼のあった、
アレルギー性鼻炎の薬の使い方について話をしました。

薬の効果と眠気との関係、花粉症の漢方薬を考えるときに、寒い季節、温かくなってから、温かさが続いてからと使う処方が季節ごとに異なることなどをお話ししました。

やはりアレルギー性鼻炎の薬の調節性、確実性という意味で抗アレルギー剤がかなり堅実です。従って抗アレルギー剤をベースに個々の体調に応じて漢方薬を加えていく戦略が患者さんのためには良いのではないかと話しました。

漢方薬の話はあまり興味をもっていただけないかもしれないと内心思っていましたが、
抗アレルギー剤との相性のこともあり、社員の方たちの受けもよく、深いところまで話をすることができました。

機会を与えてくださった社員のみなさまに
この場を借りて感謝申し上げます。

2019年11月29日

高齢者の難聴と認知症

今月は院内研修として「高齢者の難聴と認知症」というタイトルで話をしています。

この話の発端は、Lancetという有名雑誌に「認知症の関する修正可能な9つのリスク要因のうち、難聴が最上位である」という報告がでたことです(Livingston G et.al: Lancet390(10113): 2673-2734, 2017)。

この9つのリスクとは、難聴、低教育、高血圧、肥満、喫煙、うつ、運動不足、社会的孤立、糖尿病だそうです。

補聴器の認知症に対する効果も出ており(Amieva E, et al: J Am Geriatr Soc63: 2099-2104, 2015)、早期の補装具(補聴器)使用や人工内耳も選択肢として重要なのだなとあらためて思いました。

余談ですが、私が面白いとおもったのは、高齢者が騒音下で話が聞き取りにくいこと、離れると聞きにくいことには科学的データがあることです。高齢になると必要なSN比(信号対雑音比)が大きくなること(Sato H, et. Al: J Acoust Soc Am117: 1157-1167, 2005)、残響の負荷に弱くなるため、距離が離れた時に直接届く音と残響の音が混在しやすくなる(Nabelek AK, et. Al: Handbook of clinical audiology 3rd ed. : 834-848, Williams& Wilkins, 1972)ことが理由として挙げられていました。

 

2019年10月20日

認知能力の改善を補聴器で

「健康な100歳をめざして」という日本赤十字社から出版された本を読みました。

耳鼻科に関連するところを抜粋すると、難聴があると軽度認知機能障害が1.3倍、認知症には2.39倍なりやすいのだそうです。音の刺激とはかくも脳の機能に重要なのだなと感じます。

老人性難聴はある程度は避けられないものですので、ビタミンCが不足しないようにして進行を抑えつつ、補聴器で適切な補正をかけていることが重要になるでしょう。

補聴器の一番のメリットはもちろん聞こえることですが、いつまでも聡明で居られるというところに私は大きなメリットを感じています。認知症の予防ということとつながるように思います。

当院の補聴器外来は月2回しかありませんが、一度通常の外来での診察をお願いいたします。

2019年07月28日

耳鳴りの治療

耳鳴りは耳鼻科の中ではとても治療が難しいとされています。大学病院でも耳鳴りの患者さんに治らないことをとくとくと説明する先輩がいたものです。

しかし耳鳴り治療が難しいといっても、漢方薬で改善の道筋ができる方が少なからずいらっしゃいます。今日は大学病院耳鼻科で見放された方が、漢方薬の、しかも割と単純な処方をしただけで(今回は八味丸でした)、かなり改善しているのを目の当たりにしました。最近では、さらにいろんな著効例もでてきています。

漢方薬にはこういう独特な魅力があります。当院では理事長の私が常勤の医師たちに漢方薬の使い方を月に1回レクチャーしてレベルアップを図っています。漢方医学は経験医学という側面もありますので、みな試行錯誤しながら対応能力向上を目指しています。

 

2019年07月23日

アレルギーに関する学術講演を行ないました

7月3日に渋谷区耳鼻咽喉科医会で「小青竜湯と抗アレルギー剤の使い分け」というタイトルで講演を行いました。クリニック内では常勤の先生方との月1回の講習会でご説明してきたことなので半ば当たり前になっている内容でしたが、医師会の先生方には興味を持っていただけたようで、講演後や懇親会でいろいろなご質問をいただきました。

抗アレルギー剤にもいろんな性質がありますが、小青竜湯にも効果の上がる使い方があり、それらを熟知することでより効果的に、より安全に患者さんの症状を和らげることができます。

渋谷区医師会の諸先生方、国立成育医療センターの守本先生、熱心に聞いていただき本当にありがとうございました。

2019年07月05日

耳かきで英国人はなぜ意識を失ったのか?

 

耳かきで英国人が意識を失った、というニュースが先月あったのを覚えていますか?

これを聞いたとき、最初は外耳道皮膚の副交感神経が刺激されすぎて、一種の脳貧血状態になったのかと思っていました。そもそも、耳の中に綿棒の先が残っていたからって、簡単に菌は頭にまで達しません。しかし、この英国人は報道を見る限り、中耳と頭の境い目にある頭がい骨が、炎症の長期化で一部なくなってしまい、さらに耳かきをしたことで菌が頭に到達して意識を失ったのだろうと推測されました。

これはかなり長期間炎症が持続したレアケースだと思います。

ただ、耳かきのし過ぎでトラブルになるケースは非常に多いので、気をつけたいものです。毎日掃除するという人も少なくないようですが、せいぜい2-3週に1回。あとは掃除する綿棒の綿の部分が取れやすくないものであることは確認すべきでしょう。

2019年07月02日

梅雨時の頭痛、めまい対策

雨が多くなってきました。

昨日も気象ニュースをみていたら、湿度100%だそうで・・・。

こういう季節には体から水分が出ていき難くなり、東洋医学的には水毒と呼ばれる状態になります。体の水余りと考えれば良いですね。水毒のときに出やすい症状はたくさんありますが、代表的なものはめまいと頭痛です。

私も以前はこの季節の頭痛に相当悩まされましたが、今では(結構音がうるさいですが)除湿器を家の中においたり、クリニックでもドライをかけて対応しています。

もうひとつ対策があります。とうもろこしのひげ茶です!

(下記は一例であり、おすすめというわけではありません)

冷やして飲むと香りが少ないので、私は煮だして飲んでいます。

とうもろこしのひげは、玉米鬚と言って生薬として、あるいは薬膳茶として用いられています。下記のYou tubeで55秒くらいから効能を、80秒くらいから副作用のことが挙げられていますが、多様な効能があります(日本語でないのでサイトの正確性は保証しかねますが)。過量摂取はだめなようですが、お茶で飲む程度なら問題ないでしょう。

2019年06月11日

嗅覚障害を何とかしたい!

都内某所に耳鼻科医が4人集まり、食事をしながら意見交換会をしました。

クリニック関係者2人と、嗅覚の専門家のM先生、これから嗅覚の専門家になるであろうY先生でした。

嗅覚障害は治療に難渋するものの一つです。これを何とかしたいという気持ちはみな同じです。Y先生はこれから嗅覚の勉強のために留学するので、また大きな成果を上げてくれることを期待しています。私たちも道を模索しています。

 

2019年05月27日

DuCANADA

DuCANADAは私の知人である吉村和敏さんの写真集の名前です。

もう終わってしまいましたが、写真展が六本木で2週間開かれていました。しかし5月の連休明けは休みが少なくて体がマイッテいたので、この写真集は写真展に行く人に頼んで買ってきてもらいました。相変わらず吉村さんの美を捉える視点は本当に素晴らしく、写真集を見ながら鳥肌が立ってしまいます。奥深い美に触れることで心が洗われる感じがして、活力がわいてきます。風邪の予防にもなるかもしれませんね。

私は来年の書道展に向けて、作品は1点だけですが、草案を練っています。

2019年05月24日

花粉症を少しでも軽くしたい!

花粉症の方たちは、何とかしたいという思いでしょう。

特に今年は乾燥がひどいので、気をつけなければなりません。

気をつけること・・それは十分な睡眠です。

??という方もいるかもしれません。

しかし、十分にねることで粘膜が潤うので、粘膜に傷がつきにくくなります。

ここからは推測ですが、花粉が傷を介して深く侵入することで、

より花粉症がひどくなるのではないかと考えています。

東洋医学では陰血不足による乾燥、という表現をします。

さらに言うと、冬に十分に滋養しないと春に症状がでやすくなります。

今からでも遅くはありません。症状をいくらかでも軽くしようとするなら寝ることです。

2019年01月30日