子供の車酔い
東京都医師会で会議がやっと終わるー、と思ったとき、議長の先生が
「そういえば、子供の車酔いが増えていますね」と指摘をされました。
「ああ、そうなのかな?」最近、お子さんの診察機会が少ないからなのか、
あまり実感はありませんでしたが、それはなぜなんだろうか、と考えました。
私の出した結論ですが。
めまいを含めた平衡障害は6歳ごろから生じるというのが一般的です。
それは自分の身体の位置感覚が育ってくるからです。
ベビーカーで酔う赤ちゃんがいないのは、その感覚が育つ前で、
身体位置の状況を予測していないからだと思います。
さて、最近のお子さんの状況はどうでしょうか?
私は映像視聴が幼児期早期から行われていることで
この感覚が早いうちから育って(しまって)いるのかもしれません。
お子さんの体調のことですので、なかなか詳細を知ることが難しいですが、
一応の推論です。
2023年10月23日
渋谷区の就学時検診
渋谷区医師会に所属して一番大変な仕事は、学校検診です。先生によっては昼休みに少しずつやる、という方もおられますが、私は仕事に没頭するタイプなのか、半日休診にして小学校や中学校に出向くことが多いです。
もう18年!学校耳鼻科医をやっています。以前は富谷小、上原小、代々木中と務めさせていただきましたが、現在は笹塚小学校と笹塚中学校を担当し、地元のお子さんたちの健康管理の一端を担わせていただいています。
先週、平日に就学時検診に行かれなかった方たちの検診を渋谷区役所内で行ないました。全部で126人だったと思いますが、土曜日午前の仕事を終えてから従事するので相当疲れました。でも、いつも受診されているお子さんのご家族にお会いすることができるなど、望外の喜びもありました。小さい頃から診察していても、もう小学生!、もう社会人!ということがしばしばあります。お子さんたちが成長するのは早いものだと感じました。
2019年12月15日
風疹対策の漫画について
全国的に風疹が流行しているそうですね。
都市部で流行しているようで戦々恐々としておりますが、今のところ何事もなく済んでいます。
風疹で最も怖いのは先天性風疹症候群ですね。国家試験では出てきましたが、私は実際には患者さんを見た事がありません。でも風疹が流行した時には要注意だと思います。
若い人たちにワクチンを接種してもらいたいということで、有名漫画家がそのことを伝えるために漫画を書いたそうです。
若い人たちは漫画だと受け容れが良いので、こういう啓蒙の仕方もよいのではないかと思いました。
私も院内で、患者さんに何かのメッセージを伝えるのに、キャラクターを使ってみようと思ったことがありましたが、何かと面倒なのでまだ実現していません。
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2013年05月19日
通学通勤の要件が変わりました~インフルエンザ
インフルエンザがだんだん下火になってきましたね。でもご用心。まだ少しインフルエンザウイルスの波動を持っている方がいらっしゃいます。
先日、もう治ったから通学証明を書いてほしいとおっしゃって来られた患者さんがいました。
今年からインフルエンザは「解熱後から48時間以内」という要件に加えて、「発症から5日以上経過している」ということが新たに復帰要件として加えられました。これは熱が上がったり下がったりする人に対応するためかもしれません。
しかし現実には、5日経過して、解熱後48時間であっても、まだ感染力がありそうな人はいるわけで、今回の患者さんはそういう人だったようです。
ただ、こういう患者さんは例外的なのかもしれません。インフルエンザになってしまうと、無条件に5日間の休養を言い渡されるわけですから、要件としてはかなり厳しいものになっていることは間違いないですね。
もう少し気温が上がってきたらインフルエンザ騒動は終わりになるでしょう。ふう。
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2013年02月24日
うがいはやはり風邪予防になるのか
うがいは日本と韓国だけの習慣なのだそうです。
実は私、うがいはしないのです。 習慣ですかねー。
何でしないのかというと、本当に風邪の予防になるのかな?という疑問があったのです。
もちろん、うがいが効果のある場合もあるので、それはそれで診察の中で使っているのですけれどね。でもそれは、ウイルス性感冒と明確に断定したときですので、予防というよりも治療で使っていることになります。
さて新聞の記事ですが、大学の研究チームが保育園児19000人の調査を行った結果から、うがいは風邪予防に効果があるという結論をだしています。
これによると、水道水でも3割程度の風邪抑制効果があり、緑茶うがいに至っては7割の抑制効果があるとのこと。園児の風邪は他の要因も作用するとは思いますが、19000人のデータですから馬鹿にはできません。
私は自分の風邪予防は衛気を高める(つまり気のバリアを強化する)のが一番だろうと思っていますが、そのバリアが破られたときにはうがいも有効なのかもしれませんね。
衛気の考え方は重要だと思います。検索をかけると多数のサイトがヒットしますのでご確認ください。
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2012年06月10日
インフルエンザが流行していますね
この暑い季節にインフルエンザが流行しています。まあ新型なのでしょう。
渋谷区の学校では今週に入り、学年閉鎖と学級閉鎖を合わせて8校になっています。みなさんの周りでは如何でしょうか?
検査キットによる診断も印象としては、季節性インフルエンザほどには陽性にならない感じで、事前の勉強会で40~65%(だったかな?)と聞いた通りの結果です。そのうち新型用の検査キットも開発されるでしょう。
熱のでない患者さんもいらっしゃいます。だるさだけ訴えられて、会社から念のために調べてもらいなさい、と言われて、調べてみると陽性!ということもあります。解熱して2日間安静のあと安静解除というのが原則ですが、熱のない患者さんは、症状がなくなって2日間安静と話すようにしています。
最近、気の訓練をしていると、インフルエンザの患者さんが診察の椅子に座ると、こちらの気の流れが妨害されるので、何となく「来たな」と分かることもあります。
診察室にはタミフルとリレンザのサンプルが置いてあるのですが、それをインフルエンザの患者さんが持つことで、こちらの気の流れが戻ってきます。気が滞るときよりも、流れが再開する時の方がよく分かります。
先日も、インフルエンザの患者さんを前にして、胸の辺りの詰まり感が強くなってしまい、少々うずくまる感じになってしまいました。敏感に気の流れを察知するのは良いのですが、分かっても具合が悪くなるのは困ります。まあ、すぐに元に戻るのですが。。。
(あまり参考にならない情報ですね(笑))
当方ではバイオレゾナンス法も併用して、インフルエンザ診断の精度を上げるようにしています。新型のA型だけでなく、ときどきB型の波動をもった方もいらっしゃいます。B型で発症している患者さんはまだ見受けませんが、過労などが生じると発症してしまいますので、時々は注意申し上げることもあります。
そういういろいろを見ていると、過労と睡眠不足がなければ、発症しないうちに免疫ができるのではないかと思っています。
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2009年09月12日
【イチオシ】陣内耳鼻咽喉科クリニックはこどもたちの教育を応援します
こどものやる気を引き出し、夢を広げるコーチング(コミュ二ケーション手法)
こどもにかかわる全ての人にコーチングを伝えたいと活動を続けている
『共育コーチング研究会主催 第4回 研究大会』のお知らせです。
◇9月23日(祝) 渋谷ウィメンズプラザ
◇午前10時~午後4時半.半日参加も可能です。 お一人1000円。
◇内容:午前は こどものコーチングの実践事例と研究発表、
午後はスキルの体験が中心になります。
共育コーチング研究会
2006年09月02日
子どもの難聴
会報「しぶやの学校保健」第69号より
テーマ「子どもを守る」
副題 「子どもの難聴」
新生児難聴の早期発見は、患児のその後の言語の発達のために欠かせないものです。近年、聴力検査機器類の発達してより早い時期に難聴を見つけられるようになってきました。一方で新生児難聴を早期に発見するための施策も近年組織的に行われるようになってきています。岡山県では県下の多くの医療機関にそのための検査機器類が導入され、それらの医療機関が連携して新生児難聴の早期発見に努めています。その結果、新生児難聴は6ヶ月以内に全体の約3分の2が見つけられるようになってきたとのことです。その後の治療や訓練の組織化も行われているようであり、このような流れが全国に広がっていくことを予感させます。また、検査に関する詳細や手術の問題点などについても学会において多施設間で論じられるようになってきており、良い方向性が見えてきているように実感しています。
新生児難聴が早期に発見されるようになった現在、残された課題は学会の講演でも取り上げられるようになりましたが、主に小児難聴の予防になると思います。新生児難聴の原因の多くは不明あるいは先天奇形なので現状では回避することは困難ですが、先天性風疹症候群や流行性耳下腺炎、髄膜炎のように感染症が原因になっている難聴に関してはワクチン接種などで回避できる部分があるように思います。また、新生児や乳児の感染症の際に、難聴にも配慮した薬剤を選択していくことも小児難聴の予防につながるでしょう。
今まで私は子どもの難聴を早期に発見して、それに対応していけばそれで良いと考えておりました。しかし私たちはそれが生じないように予防するための何らかの行動を取れるはずです。恐らくこれは小児難聴に限らないことであり、各種疾患の予防の推進が真に子どもを守るということなのかもしれません。
2005年08月10日
自分の健康は自分で守る~野生動物たちの健康管理に学ぶ
しぶやの学校保健 第68号
テーマ:自分の健康は自分で守る
副題 :野生動物たちの健康管理に学ぶ
野生動物は常に病気を回避しようと本能的に行動するという。一例を挙げると、野生動物にバイキングスタイルで食物を選ばせると栄養バランスの取れたメニューを選択すること、食物の種類が変化しても栄養やエネルギーをバランスよく摂りこむこと、昆虫でさえ摂りこむ糖質とアミノ酸の量を調節していること、どの植物が自分の健康や病気の回復に必要であるかを見分けることができること、などである。これは、実に残念なことに家畜や人間が文明社会に飼いならされているうちに失ってしまった本能なのだろう。
この素晴らしい本能を文明社会の中で失ってしまったわれわれ人間は、知恵を駆使して病気から逃れることを真剣に考えなければならないだろう。ただ現代社会は経済性が最優先であり、それがために誤った情報も氾濫している。一方で情報の誤りを的確に指摘できない学者や医師の数も、テレビに振り回される市民の数も、もはや無視できない状況である。いつからそうなってしまったのか分からないが、恐らく健康産業などという言葉が当たり前に聞かれるようになったあたりからであろうか、失った健康を高価な薬やサプリメントを購入すれば元に戻せるという安易な誤った考えが市民の間に蔓延するようになったことは大変に深刻な問題である。
そんな中で、自分の体を自分で守るために最も重要なのは、野生動物のように絶え間なく自分の健康に配慮した行動について学び、実践することである。そのために適切な教育が必要であることは論を待たない。子供たちは自分の体に対する興味を誰でも持っている。そんな子供たちの興味を伸ばしてやり、常に自分の健康に配慮できるという人材を育てる仕組みを構築することが急務ではなかろうか。
参考図書:動物たちの自然健康法(シンディ・エンジェル著、羽田節子訳;紀伊国屋書店)
2005年08月10日
ヘルスプロモーションと学校保健
ヘルスプロモーションと学校保健
「しぶやの学校保健」第70号より
健康を考える時に患者さんも医師もついつい個々の事例に終始しがちで、社会の包括的な枠組みには思いが至らないことが多いものです。私は社会全体の状況をコントロールして個々の健康を守るというヘルスプロモーションの考え方に大いに賛成です。この取り組みを達成するためには健康教育が重要であると考えますが、現在の日本では健康教育が行える可能性のある施設は学校だけであると思います。そのことから私はヘルスプロモーションが学校保健の主要な役割として位置づけられるべきであると考えています。
学校保健のヘルスプロモーションにおける役割は、主に健康教育とデータ収集であると思います。子どもは大人よりもむしろ身体に対する興味が大きいので、それぞれの年齢に応じた教材と教育の場が与えられることにより健康教育は達成され得るはずです。しかし実際の学校現場には健康をテーマにした良質な教材は著しく不足しているように感じます。
健康教育教材作りは医師の重要な仕事であると思いますが、そういう教材を医療者が提供することには慣れていません。普通に疾病予防に関する知識を伝えることでさえ難しいのに、その上、子どもが理解できる内容にすることも必要ですし、子どもが興味を引く仕掛けも作らなければならないでしょう。現実には医療と教育産業が共同で作業する必要があるのではないでしょうか。
また健康教育の効果を見るために、データを収集するための事業デザインが必要になると考えられます。そこで得られた結果をフィードバックして教育の内容を再検討することになりますから事業を整備するのには長時間を要すると思われます。以上の理由で私は早期に計画的に教材が作成され、提供されることを期待しています。
2005年08月07日