自分の健康は自分で守る~野生動物たちの健康管理に学ぶ

しぶやの学校保健 第68号
テーマ:自分の健康は自分で守る
副題 :野生動物たちの健康管理に学ぶ

 野生動物は常に病気を回避しようと本能的に行動するという。一例を挙げると、野生動物にバイキングスタイルで食物を選ばせると栄養バランスの取れたメニューを選択すること、食物の種類が変化しても栄養やエネルギーをバランスよく摂りこむこと、昆虫でさえ摂りこむ糖質とアミノ酸の量を調節していること、どの植物が自分の健康や病気の回復に必要であるかを見分けることができること、などである。これは、実に残念なことに家畜や人間が文明社会に飼いならされているうちに失ってしまった本能なのだろう。
 この素晴らしい本能を文明社会の中で失ってしまったわれわれ人間は、知恵を駆使して病気から逃れることを真剣に考えなければならないだろう。ただ現代社会は経済性が最優先であり、それがために誤った情報も氾濫している。一方で情報の誤りを的確に指摘できない学者や医師の数も、テレビに振り回される市民の数も、もはや無視できない状況である。いつからそうなってしまったのか分からないが、恐らく健康産業などという言葉が当たり前に聞かれるようになったあたりからであろうか、失った健康を高価な薬やサプリメントを購入すれば元に戻せるという安易な誤った考えが市民の間に蔓延するようになったことは大変に深刻な問題である。
 そんな中で、自分の体を自分で守るために最も重要なのは、野生動物のように絶え間なく自分の健康に配慮した行動について学び、実践することである。そのために適切な教育が必要であることは論を待たない。子供たちは自分の体に対する興味を誰でも持っている。そんな子供たちの興味を伸ばしてやり、常に自分の健康に配慮できるという人材を育てる仕組みを構築することが急務ではなかろうか。
参考図書:動物たちの自然健康法(シンディ・エンジェル著、羽田節子訳;紀伊国屋書店)

2005年08月10日