秋の養生法について

 さて、すっかり残暑がなくなり、季節は秋ですね。

 神戸南京町では主な節句ごとの祭りがあり、中秋が過ぎたという実感がもてますね。こういう季節感って大切だと思います。第9回中秋祭は6日から9日まで行われました。

 熱烈歓迎!神戸南京町

 残暑が終わり中秋も過ぎて、寒さに向かうこの季節の健康法について少し話しておきます。

 秋で最も大切なことは、水分を大きく消耗しない生活です。秋から冬に乾燥がひどくなります。特に住居の機密性が高くなっている昨今、屋内の乾燥はこれからかなりきつくなりますから要注意です。

 そして水分を補わないといけない理由が他にもあります。それは、この夏に消耗した水分を補うという側面と、さらに来春に陽気がぐっと盛んになり、いろいろな意味でグンと成長する時にこの秋の水分が必要になってくるという側面です。たとえば秋に消耗の激しい生活をさせると、春からの成長期にお子さんの身長が伸びない、なんてことが理論的には起こりえます。

 これほど、秋の水分保持(「養陰」と言います)は重要なのです。

 さて、秋に傷害されるといわれている臓器は中医学の「肺」に関連する臓器は肺、口、鼻、皮膚、大腸です。

 皮膚や粘膜がやられやすいのは実感として分かりますが、大腸が乾いて便秘の傾向も増すようです。そんなものですかね?耳鼻科の私にはちょっと分かりにくいことですが。

 秋は養陰の季節なので、水をたくさん飲もう!とお考えのあなた!それではダメなのです。

 飲んだ水がうまく身体の中を流れて、しかもその水が失われないように節度ある行動をして、初めて達成されるのが養陰なのです。そのために体をあたたかくしておくことも重要です。

 人間は器械ではありません。喉が潤ってもすぐに体全体が潤う感じがしないことは日ごろ実感されることではないでしょうか?水をのんで皮膚もすべすべになるなら女性は苦労しないのです。

 さてそれなら過度の運動以外にどのようなことに気をつけて生活したら良いでしょうか?

 秋は早寝早起きの季節です。まずはこのあたりからでしょうか。特に早寝は有効です。寝ることは陰分(水分)を養う滋養効果があります。お肌にももちろん良いのです。

 あとは食材にも少し目を向けてみましょう。

 陰分(水分)を補う、という意味では梨などの果物は有効です。しかし体はやや冷える傾向になりますので過量に食べるのは要注意です。白菜、小松菜などの野菜類も同様です。

 だんだん冷えてくるにしたがって、大根、人参を食べるのに良い季節になってくると思います。さらに豆類ですね。豆類には潤性のものが多く、養陰には役立つと思います。季節のものでは銀杏ですね。

 いろいろな観点で養陰を実践すれば、春からどんどん元気がでてきますよ!

メルマガ「実践ロハス生活!これであなたも医者いらず」より

2006年10月15日