五行の解説1(保存版(笑))~腎について

 五行説は木火土金水(もっかどこんすい)の順番で生じるという、世の中の原理を表しています。木から火が生まれ、火で燃えて灰→土になり、土の中に金属が生まれ、金が鉱脈となり水が生じ、水は木を育てる、という輪廻の思想です。

 一日の朝昼晩も、人間の一生も、考えてみれば、みんな五行で例えることができます。「水」で表現される夜明けは、初めて光を見る人間の誕生のようです。そして引きこもりつつ少し表の光を見て歌う中島みゆきの楽曲も、闇を描く画家であるレンブラントも、みんな闇の中の光を表現していて、水の性質を持っていると言えます。この「水」の性質は体の器官では「腎」を示しています。

 私はこの説明を聞いた講義の最初の30分で、芸術にまで入り込んでいる五行は、間違いなく諸事万物の根本であると確信しました。

 たぶん中島みゆきの歌は、引きこもりの人には心地よく感じられるのではないでしょうか?(どうですか?)

 「腎」は腎臓と言ってしまうと、ただの一臓器ということになってしまいますが、東洋医学では「腎」=生命力であり、砕けて言うと、「腎」は体の強さを表していると言えましょう。

 私が時々メルマガで「腎虚」という言葉を使いますが、これは生命力の不足を意味しています。元々腎虚は、生まれつき虚弱な方の場合と老化で力がない場合がほとんどで、中年の方たちには縁のないものでしたが、最近は慢性疲労により「腎」が枯渇して、体力を失い、風邪をひき易いなどの症状を訴える人が多くなっています。

 「腎」のもつエネルギーは「腎精」と言いますが、これを誰もがたくさん持って生まれ、段々に消耗し、高齢者になると枯渇してくる。これが人の一生と「腎」の関係です。だから高齢者は皆、「腎虚」の傾向を持っています。

 あと余談ですが、生まれるときに、難産などのトラブルがあると、新生児が生まれるときに腎精を大量に消費してしまい、虚弱になりやすいのです。

 ちなみに腎の生命力を補う生薬は「附子(ぶし)」です。附子はトリカブトを無毒化したものを使います。手足を中心に体を温める作用が強いです。「腎」の熱が補われて温まるわけです。

 足の裏には「腎経」という経絡(ツボを結んだ線です)が走っています。足裏マッサージなるものが流行していますが、もしかすると腎経に効果があって生命力アップ!ということになっているのかもしれません。

 次週は「肝」についてお話します。

メルマガ「実践ロハス生活!これであなたも医者いらず」より
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2008年11月02日