(中医学)耳鳴について考える1~腎の異常
以前、耳鳴について書いて下さい、というメールをいただきました。なかなか整理されず、棚上げになっていたのですが、菅沼栄先生の耳鳴の講義を受けましたので、書く時が来たと感じました。菅沼先生のお人柄が分かる東洋学術出版社のサイトがありますのでご紹介します。素晴らしい先生です。
耳鳴治療が難しい理由は加齢要因が大きく関わっていること、要因が複合していることだと思います。ですので、総合的治療が必要と思いますが、ここでは基本的考え方を整理してみたいと思います。
耳鳴を大きく2つに分けるなら、慢性の弱い耳鳴と急性の強い耳鳴、ということになります。
慢性の耳鳴は、年齢の絡む部分でもあります。その人の芯のエネルギーが不足すると「脳が転がり耳鳴がする」と中国の古典である「霊枢」に書かれています。腎虚と呼ばれる状態です。腎虚で他の症状としては、腰痛、不眠、ほてり、難聴といったところでしょうか。
そういう腎虚の症状に対する有名な処方としては六味地黄丸(ろくみじおうがん)があります。小児の虚弱に対しても使用される処方ですが、バランスがよく、体の芯の弱さを補ってくれる補腎(ほじん)の代表処方です。
市販されているものとしては「耳鳴丸(じめいがん)」があります。サイトで医薬品添付文書を見つけました。六味丸に柴胡(急性期の肝に対する作用に配慮?)と磁石(耳鳴治療の専門生薬です)が加えられています。
補腎の食品として挙げられるのが、くるみ、ごま、松の実、栗、山イモ、豚まめ、だそうです。豚まめって豚の腎臓なのですね。へえ~。
補腎が必要な人の不眠やほてりを除くために、足湯も良いようです。足に気を降ろすということだと思います。これにより頭の気の渋滞も解消されやすくなります。
実際には年齢からくるもの故、急には改善しません。しかし、長期間の継続により、進行はかなり止められる、上手くすると改善もするとのことです。
今回は腎と耳鳴についてでしたが、次回は心、脾の関わりについて書く予定です。
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2009年05月31日