乾燥社会

診察をしていて感じるのであるが、この世は乾燥社会である。

人の心に潤いがないということもあるのだが、とりあえず物理的に世の中が乾燥しているように感じる。

ストレスで熱がこもって乾燥してしまう人もいる。季節柄気候が乾燥しているので燥湿に疎いとその影響をまともに受けてしまう。西洋建築はエアコンが標準装備になってきているがこれがまた乾きの原因になっている。急激にダイエットして口腔粘膜全体に潤いがなくなってしまうという場合もある。疲れや激しい運動のために水分を保持できずに、あるいは胃もたれのために水分が不足して乾燥するなんてこともある。どこの会社もコンピュータが大切なので湿気はご法度で人間の健康よりも「コンピュータ様のご健康」が大切という状態も存在する。

西洋医学には潤す作用のある薬は少ない。ストレスからメンタル面に働く薬を飲んでいる人も多くなっているが、どちらかというと乾燥にベクトルを持っている薬が多い印象だ。

年々気候も燥湿が激しく変化して健康管理も大変であるが、医師にもそういう面で的確な指導力が求められるのではないだろうか?

2005年01月11日