注射の話
花粉症が今年はひどそうだ。
問い合わせの電話の中で気になることがあった。
X「そちらでは花粉症の注射はできますか?注射すれば症状が出ないと聞いたのですが」
J「その注射で何を注射しているかご存知ですか?」
X「・・・」
まあもちろん、医師を信頼してくれるのは良い。でもせめて自分が何を飲んでいたり、何を注射されているのか、ということは知っていて欲しい。具合が悪くなったときに医師は聞くでしょう。
「薬を飲んだり注射をしたりしませんでしたか?」
これに対して明確に答えられるかどうかはかなり大切なことである。特に急を要するときに答えが得られないと、医師も治療に手間取ることになるだろう。
研修医のときに質問されたことがある。
「注射で最も大切なことは何か?」
私は、痛くないようにするとか、薬を再確認するとか、いろいろ言ってみましたが、全てNG。答えは、
「注射したものを取り返すことができないことを意識すること」でした。
飲み薬は胃洗浄をすれば一部分は取り返せます。でも注射は入った分は戻せません。
そう考えると注射って怖いです。注射する側にもかなりの注意が求められます。
さて、話は戻って花粉症ですが、私たちのクリニックでは即効性の注射の治療はしません。減感作療法といって、丹念に治療する方法があるのですが、それはやっています。安全性をかなり意識して治療を選んでいます。
2005年01月24日