風邪3題

今日はちょっと考えさせられる日であった。

風邪とアレルギーを見分けるのは案外難しいということを書いたことがある。

2月9日「風邪と花粉症」

でも両者を間違えても風邪は時間さえあれば自然に治るし、抗アレルギー剤を飲んでも副作用の可能性は少ないから、なんて簡単に考えていた。

ところが間違えたのは仕方のないことなのだが、花粉症で免疫を抑制する薬を渡されていた人がいて、風邪なのに服薬してしまったということが起こってしまっていた。当然、風邪はかなり治りにくくなるし、下手をすれば肺炎?なんてことも起こり得る、ちょっと危ない印象だ。花粉症が真っ盛りになれば仕方のない処方であるが、あまり早い寒い時期からそういう薬を処方するのはいかがなものかと思ってしまった。よほど医師に見分ける自信があれば問題はないのだが、現実には判断はかなり難しいことが多いと思うがどうか。

今日、2人の風邪の治りそこないを診察した。こういう場合喉が痛くて、鼻水がでて、寒気が生じてくるわけであるが、これは漢方処方以外には救う道はない。抗生物質もダメ、消炎鎮痛剤はむしろ逆効果だし、抗ヒスタミン剤も鼻水を止める効果しかないだろう。かなりこういう人は多い印象であるが、漢方薬を使わないでは対応できないのではなかろうか?いたずらに処方をするよりも、「毛布に包まって寝ていろ」と言ってあげる方が親切かもしれない。

今日はインフルエンザB型が2人、A型はいなかった。熱のないインフルエンザを発見できたことが自分としては収穫であった。高齢者ではインフルエンザもB型だと熱がでないことがある。熱がでないのにインフルエンザかどうかということはなかなか判断が難しい。しかし、詳細に話を聞いて、舌と脈を診ることで疑いをかけることができた。実は調子に乗ってもう一人見つけたつもりで検査をしたら陰性であったのでまだまだ完全とは言えないが、今後流行を阻止するためのひとつのテクニックとして確立していきたいと思っている。

2005年02月18日