めまい、耳鳴り

少し空気が湿気を帯びてきたと思っていたら、めまいと耳鳴りの症状を訴える人が増えてきた。天気が悪いときに限ってそういう人が多く来院する。

東洋医学的にはめまいも耳鳴りも水毒である。水の調節がうまく行かないために、首から上の水分が過剰になり症状が出るという理屈である。

水の調節がうまく行かない人たちに2通りあることを従来より主張している(けれど誰も賛同はしてくれません(苦笑))。

ひとつは朝に具合が悪くなるパターンである。これは朝にむくんだりするのと同じで冷えが背景にあり、朝に体が温まるまで水の流れがスムーズに行かないために(恐らく神経の)むくみにより症状がでる。こういう場合には温めて水の流れを作ってやる必要が生じる。

もうひとつはストレスから気逆の状態になり首から上の水がうまく巡らない状況になり、症状が出てくる状態が考えられる。この特徴は午後、特に仕事が終わる夕方にかけて症状が出てくるのが特徴である。こういう場合には気を降ろしつつ水をめぐらせる治療が必要になってくる。

水を意識してたくさん飲んでいる人も少なくない。特に年をとった人に限って必要ないのに無理して水をたくさん飲む傾向にある。これはメディアの影響と思うが、全くナンセンスであると思う。必要なだけきちんと水分は摂取すれば良いのだ!こういう人たちがこの季節に上記のような症状で苦しむのである。

なかなか西洋医学とは相容れない考え方であるが、特に耳鳴りは西洋医学の治療が行き詰っているだけに、こういう東洋医学的見方が必要になっていると思う。どういう耳鳴りにも神経を回復させるために循環改善剤などを投与して、あとは観察のみ、というスタイルはあまりにさびしい感じがする。

2005年03月30日