コミュニケーションの重要性

今週はコミュニケーションの重要性を認識させられる日々だった。

21日は「インターネットを使ったコミュニケーション」について講演を行った。従来は電子メールを手紙代わりに使って情報交換をすることと、ホームページに情報を陳列して見てもらうということがされてきた。でもよりよくコミュニケーションを取ることを求めるならば、多様なサービスが用意されている、ということを紹介した。聴衆の反応はイマイチだったが(苦笑)。

23日は自分主催で「頭頚部癌診療に関する問題点について」患者さんの体験談を中心にみんなで考えてみた。各界の関係者に出席していただいて聞いていただいた。よく事情を理解している医師と率直にモノを考えられる市民、という観点でメンバーを選択した。本当はもう少し呼びたい人もいたのだが、会場の関係で21人の会合になった。

私がとても疑問に感じたことがあった。日本では時間がたくさんあって、言葉も通じる一方、アメリカでは手術までの時間があまりなく、言葉の障壁もある。日本ではコミュニケーションエラーが起こってしまい、治療場所をアメリカに求めることになるわけだが、アメリカでは短時間で十分なコミュニケーションが取れて十分に納得した治療が受けられている。これは大変に不思議なことである。

この答えは何か分からないが、医師の心の余裕もあるだろうし、地域全体でコミュニケーションを取ろうとするアメリカの姿勢にあるのかもしれない。医師が診療に集中できるシステムにも要因があるだろう。診療の歴史の重みをみんなが十分に感じて帰国することを考えると、医療環境がコミュニケーションに与える影響は小さくないのではないのではないか?

2005年04月24日