第7回滋賀医科大学関東支部会 特別講演

第7回滋賀医科大学関東支部会 特別講演
演者:大阪教育大学 健康科学講座 山川正信教授

「ヘルスプロモーションについて」(題が正確でないので後で修正します)

・健康管理は数値を下げましょう→生活史を見て目標を立てる方向へ
病気を教える教育→健康を教える教育へ

・価値観の変化
  3K 健康、環境、交流
  ・・・
・今後の健康管理の方向性
  科学技術→人間性回復へ
  健康に対する価値観の多様化
  医療資源の公平な運用
  老人保険、介護保険の見直し
  社会健康科学分野の専門家を養成
  健康に対する価値観の醸成

・社会全体を健康にする
  health people→health city
  疾病:自己責任→社会責任へ
  日本の住居
   安全基準と防災基準のみ
   健康には配慮していないので、これも改善の余地がある

・ヘルスプロモーション
  健康な街づくり
  社会環境整備
  人々が自主的に健康のために行動する

・私の疑問

1.ヘルスプロモーションは果たして慢性生活習慣病のみを対象とすべきものか?

 急性期疾患ばかりを普段診察していると、やはり健康のために自主的な行動を取れるかどうかが一番の予防策にように感じる。下記のような点に注意することでたとえば風邪もかなりの部分が予防できると考えているので、慢性生活習慣病のみではなく、全疾患を対象とすべきものではないかと考える。普段、急性期疾患を予防しようとする気持ちがなければ慢性疾患だけをいきなり予防することは不可能だろう。むしろ急性期疾患の予防こそ、結果が明確に現れるので、前向きな気持ちを高揚しやすく、それが達成されることから慢性疾患の予防につながっていくのではないだろうか?
   衣服
   住居の内容と立地
   職場環境
   行動(疲労、睡眠、飲酒、(喫煙))

2.ヘルスプロモーションの効果をあげるためには何より健康に対する教育が必要であると考えている。社会全体を変えていくには、市民を教育することよりも、子どもを教育するプログラムが最も重要なのではないか?

 しかし現実には教育のための教材が不足しているということを実感する。それと適切な指導者が医師にも教師にもいない現実は大変に嘆かわしい。養護教諭は個人の努力で何とかしようとしている節があるが、これによる効果はほとんどないと言ってよい。それは子どもたちに容易に受容される教材が作られていないからだと思っている。しかし子どもたちは、まず身近にある自分の体についてとても興味を持っているので、園児や学童に対して適切な教材と教育を与えることがヘルスプロモーションのもっとも重要な課題ではないかと日々感じている。

・参考
  リテラシー
   検索する→情報を得る→行動する

2005年08月07日