アレルギーっぽいんです

鼻水がでて、どうもアレルギーっぽいんです、という患者さんがいる。

「アレルギーっぽい」と思う根拠は希薄だと思うが、それにしてもアレルギーという言葉の威力はすごい。説明するときにアレルギーという言葉を使うと「やっぱりそうですか」なんて納得されてしまう。

先日、「いやああ、アレルギーっぽいいがらっぽさがあってー」なんて話を聞いたときにはひっくり返りそうになった。

でも、何でもアレルギーのせいにしてしまっていないだろうか?

現実に、最近のほとんどの鼻水患者さんが風邪の鼻水である。「抗アレルギー剤が効かないんですよ」と言いながら、それでもアレルギーと信じている患者さんが多いことには驚かされる。

風邪の初期とアレルギーの症状は確かに見分けがつきにくい。でも風邪で鼻水が出るのは初期のみなので、風邪の初期でないことが判明したら初めてアレルギーを疑い始めるのが診察の常道であると私は思っている。

血液検査が陽性だからといって、8月になったからといって、すぐにブタクサアレルギーだ!ということにはならないのである。医療者側にも血液検査偏重の傾向があるので、要注意であると思う。

2005年08月27日