腎は耳に開く(東洋医学の世界)

 73号で「見えないものへの畏怖」というお話をしました
 
 そこで、保険診療では膀胱炎の処方である竜胆瀉肝湯を、耳鳴の患者さんに使いたいと話したら、実は膀胱炎の症状があったため、保険診療で対応できた、というお話でした。

 何だかまるで不思議な世界、見えない世界と思っていましたが、私が敬愛する知恵袋Tさんより中医学的指導(笑)が入りました。

 「膀胱と腎は表裏の関係で、耳は腎に開くと言いますから、耳鳴の人に膀胱炎があることは驚くことではない」

 なるほど~。単純な考察で解釈可能ですね。びっくり。

 さらにSさんからは、湿熱下注という言葉を教えていただきました。湿は熱を連れて下焦(下半身とほぼ同義)に流注する、ということです。

 肝胆湿熱証になると、湿熱が上擾(じょうじょう:上方向に乱れるの意味)して頭痛、めまい、目が赤くなる、耳鳴りなどの症状がでて、一方で、湿熱が下注(下焦に移動)して膀胱炎の症状がでるようです。

 肝胆湿熱証に関して(全て正確か自信がないのですが)分かり易いです。
 
 耳鳴りと膀胱炎が同時に生じることは必然であるという証拠が2つもでてきてしまい、驚きです。これからはそういうモノの見方をしていかないといけないと肝に銘じました。

 さてさて、患者さんの治り具合です。一人だけなのですが、大きさは半分以下になっているとのことでした。下半身の症状はまだ少し改善が十分ではないのですが・・。恐るべし中医学。

メルマガ「実践ロハス生活!これであなたも医者いらず」より

2006年12月24日