風邪の脈のはなし~滑脈

 相変わらず風邪中心の生活なのですが、自分としてはかなりの診察レベルに到達していると思っていました。

 ところが!上には上があるものです。

 医療に関しては私はあまり人のいうことを信じないのですが(笑)、たまたま風邪に関する記事を読んでいて、麦門冬湯という漢方薬を飲むときに脈が滑脈(かつみゃく)であることがひとつの選択の根拠であるということを読みました。

 偶然、11月の中国ツアーのときに、滑脈がどんな脈であるかを教えてもらっていたのですが、実はそのときには実感が伴いませんでした。私が聞いた説明では、脈を触れる指が蹴られるような感じ、ということでした。

 成都中医学研修ツアー2006

 偶然は続くもので、その記事をよんで2日後、「なるほど!これが滑脈だ!」と明確に分かる患者さんが現れました。分からないことがあると、必ず患者さんが所見で教えてくれるので不思議です。

 風邪で寒気がして水様の鼻汁がでてきたときは浮脈(浮いた脈)、その後3から4日経って(子どもは1から2日です)触れる脈は沈脈(深いところに触れる脈)です。これは以前にもお話しました

 実は沈脈のあと、寒気から1週間が経過したころに、再び浮脈が出るように感じていました。これは振り子が減衰するように、一時的に「浮沈浮」と少し反対に触れながら減衰するのだろうと勝手に理解していました。

 ところがこの反対に触れる脈(沈から浮へ向かう脈)が滑脈であることが多いことにようやく気づいたのです。確かに少し蹴られるような脈です。

 この脈が分かると、風邪を引いていた人にはっきりと治ったと宣言してあげることができます。インフルエンザワクチンも安全に接種できます。

 私はこれが実感として分かったので、久々にスキルアップした感じでニヤニヤしならが診察を続けました。みなさんも健康管理に使えると思いますよ。いつも触れているときっと分かるようになります。やってみて下さい。

メルマガ「実践ロハス生活!これであなたも医者いらず」より

2006年12月31日