見えないものへの畏怖
耳鳴りの治療について考えていました。
私が考えていたのはストレスによる耳鳴治療です。どんな薬を飲んでも治ったことがない人で、以前に黄連解毒湯で少しだけ耳鳴りが良くなった人の治療の続きです。
ストレスは中医学では肝気鬱血と言って肝の経絡(ツボを結ぶ線ですよ)に気が渋滞すると言われています。ですので治療としては、肝の経絡にある余った気を捨てる(瀉する)ことが中心になります。
確かに黄連解毒湯にもそのような作用があります。でも竜胆瀉肝湯の方がより目的に合いそうです。さて、では保険診療ではどんな人にこの処方が使えるのかというと、膀胱炎、尿道炎くらいのものです。
「むむむ・・・保険診療はムリか。中医学の教科書には竜胆瀉肝湯がストレス性の耳鳴治療の最初に書かれている処方なのに・・・」と残念に感じたのは言うまでもありません。
でも、そういう薬もあるのだけれど、と一応その患者さんに話してみました。
すると患者さんは驚いた表情でこう言うのです。
「私、膀胱炎があるんです!」
私も呆気に取られてしまいました。保険病名に堂々と「膀胱炎」と記載して処方をお出ししたことは言うまでもありません。何かの偶然でしょうか?
しかし次に同じ話をした患者さんも「とても尿の出が悪くて困っていたのです」ということでした。二度びっくりです。やはり耳鳴りと膀胱炎の間には何か関連があるとしか思えません。
結果はまだ出ていないのですが、効果が出そうな予感がします。西洋医学者は、これだけの事実があっても関連を認めず単なる偶然と言い張るのでしょうね。私には見えないつながりが感じられるのですけれど。
メルマガ「実践ロハス生活!これであなたも医者いらず」より
2006年12月03日