漢方よもやま話

 最近、診察する時に、東洋医学と西洋医学を両方使っているのに、パッと両方の処方が決まってしまうことがあります。

 そうすると、東洋医学的な処方に対する十分な同意が得られていないという状況が生じてきます。

 そもそも漢方薬は苦いこともあるので、飲めるのかどうかを確認する必要があります。

 飲めはするけれど、漢方薬なんて・・?効かないから飲みたくない、などという考え方の人もいらっしゃいます。

 漢方薬の働きの最も大切な点は、「中庸(ちゅうよう)」(全てにおいて適度である状態)です。患者さんにはそれを理解していただかないと、漢方薬を使って治ったという実感が持っていただけない場合も生じてきます。

 例えば、やたら元気な人が中庸になるように「気」を少し抑えるように処方したら、ご本人は「なんだかいつもよりも元気がでない」という不満をもつかもしれないということです。

 漢方薬の説明を暑さ寒さや渇き湿りで説明することは時間的には困難ですが、やはりそういうことをきちんと分かっていただけるような診察を心がけたいと思っています。

 医師の中には「漢方薬を使っているから」と、他の薬を処方しないという人がいたり、ひどいときには「そんな薬、何になるのだ」といくら何でも・・ということを言ってくる人もいます。

 自分もそうであったので、あまり他人のことは言えないのですが、「知らない」ということは治療の選択肢を狭くします。これは漢方薬を十分に使うようになると分かるのですけれどねー。

 本日はじめて、医師の集まりで東洋医学全般の話を少ししました。みなさん不思議なものを見るような目でこちらを見ていましたが、以前よりも大分受容されている感じがしました。これからも東洋医学を広めていきたいと思いました。

メルマガ「実践ロハス生活!これであなたも医者いらず」より

2007年07月01日