毎日の診療の中で少し最近気になること

 毎日の診療の中で少し最近気になることがあります。

 治癒までの期間をとにかく短く!と求められることが多くなったことです。非常に近視眼的な診察を求められます。熱が出たら解熱剤、咳がでたら鎮咳薬と症状を除くスピードを求められるのです。

 これはちょっと不本意だな、と思うことがあります。もっとすっきり治る方法があるのに、と残念に感じることも少なくありません。

 熱が出るのにはそれなりに意味があります。高熱がでているから重症とも思いません。数日続くこともあるかもしれないですが、理にかなっていれば、そのままにすることもあります。

 大切なことは、何故熱が出るに至ったのか、どうして咳がでているのか、ということなのです。それがきちんと理解できるものならば、その流れを止めないように薬は出していきたいと思うのです。

 もちろん、「明日、大切な○○だから、何とかして!」という切実な思いにはできるだけ対応しようと思います。でも流れを理解していただいた上で対応したいと思っています。

 風邪には必ず原因があります。それを毎回推測していかないと、二の足を踏むということになりますから、それをできるだけお伝えしているつもりです。そして最終的に皆さんが自分から健康を指向してくだされば、この上ない幸せです。

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2008年05月10日