耳鼻科医らしく副鼻腔炎の話~運動し過ぎの問題
私は耳鼻科医ですので、鼻水が止まらないという患者さんが来るわけです。
だいたい、風邪であり、アレルギーであり、あとは副鼻腔炎なわけです。気になるのは、患者さんがすぐに「アレルギーですか??」と聞いてくることです。私からみると医師もすぐに「アレルギーですね」と断定するのも少し気にかかります。
高齢者の話にしぼりますよ。いや、高齢者でないのにそういう人が多いのも少し気にはなっていますけれど・・・。
体内の水は重力で下へ下へと集まりますが、生命の熱エネルギーでこの水を体の上にくみ上げていき、体内の水を均等に分散させているわけです。高齢者はこのエネルギーが不足してきますので、どうしても水が下半身に集まりやすく、足が冷え、トイレが近くなり、顔がほてるのです。
プールでがんがん泳いでいるという初老(失礼!)がいらっしゃいました。最近は、高齢者も相当数の方がプールでかなり泳がれているようですね。毎日のように泳がれている方も少なくないのです。
しかし水泳は運動としては激しいですから、体液の損失は少なくありません。その分、十分な休息を取るのであれば理想的なのですが、現実には泳いでいる方たちは筋骨隆々で健康に自信があり、休息も少なくなりがちです。
すると、筋力アップで熱が生じているのに、体液が失われてその熱を冷ますことができないことになります。そうすると特に首からに熱がこもることになって、熱の逃げ道として鼻水が濃く出てくることになるのです。
鼻水で熱を体外に逃がしている、という考え方は一般的ではありませんが、私が観察する限り、高齢者の鼻水のかなりの部分がこの鼻水だと思います。
普通にしていても、のぼせたり、ほてったりする高齢者がいらっしゃるわけですが、過度な運動はそれを助長してしまう結果になります。休息とのバランスを取りながら運動をするようにしましょう。
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2008年09月20日