五行の解説4(保存版)~心について2

 10月25日に受講した「次のステップを目指す中医学講座」のノートから内容をご紹介しています。講義は下谷武志先生。文責は陣内です。

 五行説の基本は木火土金水(もっかどこんすい)の順番で物事が生じるという、世の中の原理を表しています。木から火が生まれ、火で燃えて灰→土になり、土の中に金属が生まれ、金が鉱脈となり水が生じ、水は木を育てる、という輪廻の思想です。

 一日の朝昼晩も、人間の一生も、考えてみれば、みんな五行で例えることができます。「心」が例えられる夏の充実しきった状態を、シドニーオリンピックのときの高橋尚子選手に例えました。講義ではマティスの絵が「心」と考察されていました。

 さて、心(心火と表現します)の関係する病態とはどんな状態でしょうか?

 まず、消耗してしまう状態が挙げられます。

 心の状態は喜びの強い状態なのです。自分を出し切っていると楽しくて仕方がないのです。しかし最終的には限界を定めてあげないといけません。絶頂だけれど、引退は意識しないといけないということでしょう。

 限界を見ずにさらに続けていると、いずれ消耗してきます。この状態を救う生薬は人参です。消耗した人を救うためには人参が含まれている漢方薬を意識しましょう。人参は気を補う代表的な生薬なのです。

 次にあげられる病態は、自分の喜びが十分に表現できず、願望が頓挫して、熱が内にこもる状態が挙げられます。これにぴったりの楽曲を見つけました。

 夢想花(円広志)
 「素直な気持ちをあなたに、伝えるすべを知っていたなら・・」必死に自分の中の熱を「とんでとんで・・」と昇華しようとしています。

 この熱が自分で昇華(消化でも消火でも合っているような?)できる人はよいのですが、それができない人のために用意された生薬は黄連です。清瀉心熱、すなわち、心の熱を冷まし捨てるための生薬と言えるでしょう。このサイトが参考になるかも知れません。

 続きは来週。

 大切なことは、体も社会も宇宙も、五行の相互のバランスで成り立っている(だろう)ということです。アーユルベーダですと、空、風、火、水、土の五大要素ということになりますが、これは切り口の相違だけだろうと私は考えます。要は複数要素の相互バランスであるという認識が大切でしょう。

 だいたい「心」のイメージを持っていただけましたでしょうか?

 次週は「脾」に関連する事項についてお話します。

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2008年11月23日