五行の解説8(保存版)~肺の総論について

 10月25日に受講した「次のステップを目指す中医学講座」のノートから内容をご紹介しています。講義は下谷武志先生。文責は陣内です。

 五行説の基本は木火土金水(もっかどこんすい)の順番で物事が生じるという、世の中の原理を表しています。木から火が生まれ、火で燃えて灰→土になり、土の中に金属が生まれ、金が鉱脈となり水が生じ、水は木を育てる、という輪廻の思想です。

 今日のテーマは肺です。肺というと、呼吸をする肺を思い浮かべる方が大半でしょう。しかし、中医学の肺とは、外界との境目すべてを指します。

 皮膚、鼻や口腔などの粘膜、気管と肺も含めます。普通にしていて空気の触れる部分ということになりましょう。

 エネルギーは自分の形体を維持するために消費されるわけですが、同時に最終的な役割として、皮膚や粘膜表面に運ばれ、体の防御、つまり自他の区別のためのエネルギーとなるのです。

 皮膚が人の外観を形成しているわけですが、人が肌肉から老いることからも分かるように、肺は壊れていく部分でもあります。また唯一光を感じる部分でもあります。

 完成度が高く、これ以上何かを変えてしまうと、外観や機能が狂ってしまう、そんな感じが肺にはあります。

 下谷先生は井上用水の「マイハウス」を挙げておられました。楽曲の完成度を歌詞が超越してしまい、壊れかけている印象があります。肺のイメージが重なる歌として分かりやすいかもしれません。

 フェルメール展が先日終わってしまいましたが、行かれましたでしょうか?私は40分待ちで入場してやれやれと思っていましたが、もっと待った方も多かったようですね。

 どの絵画も計算しつくされた光の芸術という印象でしたが、どこも変えられないということもありますし、必ず光がテーマになるという意味合いからも肺なのかな?と思います。

 次週は肺の病態について考えてみます。

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2008年12月21日