風邪初期の鼻水は何ででるの??
風邪初期の鼻水でも、花粉症の鼻水でも、どうして水のような鼻水がでるのだろうか?とずっと疑問でした。
ウイルスや花粉を洗い流すため。もう少し学問的になると、線毛円柱上皮や杯細胞から分泌物がでて、イオン交換が生じ・・・ということになります。(十分には説明しきれません(笑))
でも、じゃあそれはどうして?という明確な答えがどこにもないのです。最近は鼻内でアレルギー反応が生じて、化学伝達物質が関与して鼻水がでるというのが一般的になりつつあります。
でもこの説明では何か腑に落ちないのです。もう少しマクロな視点ですっきりと説明がつかないものかとずっと思っていました。
先日、中国の古典である傷寒論の講座を受けているときに「衛営不和」という言葉が出てきました。「あーこれだ!」と思いましたよ。
ここからは私なりの解釈です。
体表では、防御のために気、つまりエネルギーがめぐっています。これは衛気(えき)と呼ばれます。衛気の物質的な裏付けとして営気(えいき)があり、具体的には血液を含む体液と考えられます。
衛気と営気はバランスが取れており免疫をつかさどります。衛気が過剰になると、体表は熱を持ち乾いてしまいます。逆に営気が過剰になると水分の漏出を招きます。もちろん衛気と営気は相対的な強さが状態に反映されますので、衛気が減少しても水分が漏出しますし、営気が減少しても熱を帯びて乾くことになります。
さて、風邪のときですが、体表に不審な物質がやってきます。すると、衛気を使ってまずは対応することになるでしょう。すると相対的衛気不足の状態になるために、汗もでて、鼻水もでるのだと考えられます。
鼻水が止まった時は衛気が少し回復し、営気が少し損なわれてバランスが取れた状態と考えられますし、インフルエンザなど、衛気が著しく損なわれたときに鼻水がいつまでもでるのもこれなら説明がつきます。
ちょっと理屈っぽかったですか?この状態を傷寒論では「衛営不和(えいえいふわ)」という言葉で表現していました。私はようやく腑に落ちて嬉しかったです。
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2009年04月19日