(中医学)六腑の講義から7~小腸2

 五臓に関してはバックナンバー173~181号を参照してください。

 五臓六腑の話はある程度理解が行かないと面白くなりません。漢方を学ぶ医師も最初のこの段階で挫折します。それは、西洋医学の臓器と東洋医学の臓腑の違いを受け入れられないからだと思います。しかしどの代替医療を勉強しても五臓六腑の話は必ず出てきます。恐らく真理に近いからでしょう。

 私が3月に受講した下谷武志先生の「次のステップを目指す中医学講座」はその理解をを絵画と音楽でイメージしようという画期的なものです。何となく分かる程度で結構ですから、少し我慢して読んで下さい。文責は陣内です。

 さて今週は小腸のイメージについて2です。

 先週、小腸は無毒化されたものに対して、精一杯働きかけるという特徴があり、資生堂の真夏の女性のCMがイメージにぴったりであることもお話しました。

 さて、小腸が陥る病態とはどういうものでしょうか?

 小腸が働いて働いて・・・相手とのバランスを失ったとき、働き過ぎのワーカホリックに陥ることがあります。絵は出せませんが、アンデルセン童話の「赤い靴」の女の子に見られる状況です。

 赤い靴を履いた途端、勝手に踊りだしてしまい脱げなくなってしまいます。ようやく脱いでホッとしたというのに、舞踏会からの招待に赤い靴を履いてしまい、また踊りを止める事ができず、足を切った、というのがお話ですね。

 あと、小腸が陥る病態としては、赤い靴の女の子のように「私を見て」という自己陶酔です。相手に注ぐエネルギーがいつの間にか自分に向いてしまう、そういう精神的な傾向を持っています。

 赤い靴の女の子は、義足をつけて、教会に奉仕することで幸せになりました。仕事も量のバランスと、目的の向きのバランスが必要ということですね。

 踊り疲れた小腸の異常の方には甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)が良いでしょう。甘い処方で、遊びつかれた子供の興奮を抑えます。

 大人は形芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)が良いです。冷や水をかけて調子を整えてくれる処方です。私は風邪のあとに、仕事が忙しくていつまでも熱っぽい感じが取れない人に使うことがあります。苦い処方です。

 小腸に異常がある人には、胃腸を冷やすなま物、生茶、果物が良いとされているようです。活動を少し抑えるということでしょう。夏を控えた今の時期に摂取すると良いとされています。質の良いなま物を選んで下さいね。

 では次回、胃1をお届けします。

メルマガ「実践!新ロハス生活~これであなたも医者いらず」より

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2009年06月07日