【栄養療法】しばらくは亜鉛について、いろいろ語ります4
今まで亜鉛のさまざまな考察を行いました。前回は血糖に関連した話でした。インスリンと亜鉛が関連しているなんて、ちょっとした驚きでした。
さて亜鉛で長くなりましたので、そろそろまとめたいと思います。
一番大切な亜鉛の働きは各種酵素の活性中心であること、そして味覚に深く関わること、ホルモンとも様々な関連を持っていて、特にインスリンを介した血糖コントロールに関係している、こんなところでしょう。
さてに、精液や前立腺には亜鉛がたくさん含まれていますし、精子の運動にも亜鉛が関わります。性腺の発達や妊娠の維持にも亜鉛は必要です。とすると、男性不妊にも大きく関わっているかもしれませんね(もう論文などあるのかもしれませんが、確認が取れていません)。
亜鉛の欠乏を疑う症状としては、性腺や成長の障害、皮膚のびらんや乾燥、脱毛、あとは精神神経症状が重要とされています。亜鉛が欠乏すると無欲になったり、情緒不安定、記憶障害などが生じるようです。そして述べてきたように味覚障害、血糖コントロール異常と不妊を挙げねばならないでしょう。
実は、母乳には高濃度の亜鉛が含まれています。ところが市販されている調整粉乳の亜鉛濃度はあまり高くないので、乳児湿疹の一因である可能性も考えられています。昭和56年以前の調整粉乳には亜鉛が含まれていなかったらしいですね。
院内の掲示物によると、亜鉛をたくさん含む食品は、牡蛎、ビーフジャーキー、煮干、ココアだそうです。
次は何の栄養素のお話にしましょうか。。。
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2010年02月27日