【栄養療法】ビタミンEについて

 今週はビタミンEについてお話します。

 ビタミンEにはトコフェロールとトコトリエノールの二つの形があります。大まかに言うと、トコトリエノールは即効性、トコトリエノールは持続性の効果が期待できます。よって同時摂取が大切であることが分かります。

 抗酸化作用を持っているのビタミンですが、脂溶性ビタミンなので細胞膜の酸化を除くことができます。抗酸化活性はトコトリエノールの方が強いです。よって癌に対して効果を発揮するのはトコトリエノールと言われており、肝がん、乳がん、前立腺がん、皮膚がんで細胞増殖抑制が報告されています。

 また、γトコトリエノールとγトコフェロールが十分にあると、過剰なナトリウムや水分の排泄が促進するので、むくみの防止に役立ちます。

 皮膚のしみやしわは酸化が原因と言われています。γトコトリエノールが抗酸化作用を発揮したり、メラニン産生を抑制するため、美白効果やしわの改善にも役立ちます。

 細胞は人体の基本骨格ですから、細胞膜の酸化を防ぐビタミンEは良いことが多いですね。ホルモンバランスや血行にも良い働きがあるようです。

 以前に触れましたが、私は凄く細胞膜の酸化が進んでいて、赤血球が溶血してしまい、赤血球の寿命が短くなっていました。検査では間接ビリルビンの上昇と網赤血球の上昇が見られました。

 何も症状がなく溶血が進んでいたなんて、本当に怖いと思いました。子どもでもこういう現象が生じます。うちの娘で確認しましたので。つかれ易いお子さんにビタミンE不足ということがあるかもしれません。

 トコフェロールはコーン油、綿花油、ピーナッツ油、大豆油、小麦胚芽に、トコトリエノールは米、大麦、小麦、パーム油に多く含まれます。しかし、通常の食事では摂取しにくいものです。

 ビタミンEは天然のd体のみが体内を移動できるようです。合成のdl体はすぐに排泄されてしまいますので要注意です。

2010年05月01日