【栄養療法】たんぱく質の重要性3~トランスポーター

 たんぱく質の重要性について考えてきました。酵素、ホルモン、免疫物質の材料になっているたんぱく質の機能面の重要性、筋肉や皮膚など構造面の重要性について説いてきました。

 また、たんぱく質が足りているかどうかを見分ける血液検査の指標についても言及しました。

 さて今週は、たんぱく質の機能面に関係しますが、トランスポーターについて少し詳しく見ていきましょう。

 トランスポーターとは、物質運搬物質のことです。運び屋ですね。血液の中の様々な物質はそれぞれにたんぱく質に結合して移動し、必要なところでたんぱく質と分かれるという仕組みになっています。

 例えばビタミンAが血液中で運ばれていくには、レチノール結合タンパクとトランスサイレチンというたんぱく質が必要です。鉄が運ばれて細胞内に取り込まれるにはトランスフェリンという糖たんぱく質が必要です。

 ほとんどの物質にトランスポーターがそれぞれあるような状況ですので、たんぱく質の不足により、体の種々の機能が低下してしまうということは想像に難くありません。

 いろんな薬剤もアルブミンに結合して体内を循環して効能を発揮します。ですので、アルブミンが不足している人が薬を投与されると効果が十分にでないことが考えられ、薬剤量が増えていくことになります。薬で思うような効果がでないときに、医師はあまりたんぱく質不足であるかどうか気に留めません。このことは覚えておきましょう。

 質問はメールで結構ですのでお寄せ下さいね。
 lohas@jjclinic.jpまでお願いします。

 さて、来週はアミノ酸のことをお送りする予定です。

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2010年06月06日