【栄養療法】微量でも、とても大切な鉄分について4
鉄分に関して、今週で4回目です。今回は鉄欠乏をどのように判断していくか、ということを考えてみます。
鉄が欠乏していると思う時には血液検査が欠かせません。注目すべき項目は
・ヘモグロビン(Hb)
・ヘマトクリット(Ht)
ですね。貧血のときにこれらの値を見ることは広く行われています。逆にいうと、これらの値が基準値であると「正常」という判断がなされがちです。
あと赤血球数を加えて、計算により導かれる値も注目したいですね。
・MCV(平均赤血球容積)=Ht/赤血球数×10
・MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)=Hb/Ht
実は案外これらの値はあまり注目されません。Hbさえ正常ならOKという風潮があるのが現実です。
しかし、MCVは値が90を切ると少し鉄欠乏と判断します。ビタミンB群が不足している人はとても多いのですが、そういう方ではMCVが上がりますので、鉄欠乏+ビタミンB不足=MCV正常、という図式もよくありますので総合的な判断が求められます。
MCHCが低下していると(具体的には31以下くらいかな?)鉄欠乏が軽度を過ぎていると判断します。MCHCが低値でもHbが正常のことがありますので注意が必要です。
そして通常の血液検査では全く測定されませんが、重要な項目はフェリチンです。フェリチンは炎症がどこかにあると上昇してしまうので注意が必要ですが、低値は貯蔵鉄の欠乏を考えねばなりません。そして鉄欠乏症状とフェリチンの値がとてもパラレルに動きますので、とても有用な検査項目です。
フェリチン(単位ng/ml)は検査によっては女性10、男性20が基準とされていますが、これがとても問題で、男女ともせめて50くらいは欲しいです。100程度だと鉄欠乏の症状が出ないものと安心してみていられる感じですね。
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2010年07月25日