ビタミンDとインフルエンザ感染について
最近、何故か(製薬企業の宣伝が多いのかな?)情報が多く入ってくるのがビタミンDの効果についてです。
ビタミンD3サプリメントを1日1200単位、冬季に4ヶ月間学童が服用してインフルエンザ感染がどのくらい抑えられるのか調査した論文がアメリカ臨床栄養学会誌の論文にありました。
117人ずつの2グループに対して、ビタミンDが入っている薬と入っていない薬を与えたところ、ビタミンD摂取群は非摂取群に比べて、インフルエンザの発症率が約半分になり、喘息の発症率は5分の1になったとのことです。
なぜビタミンDに着目しているのかというと、冬には日照時間が減るので、ビタミンDが活性化されにくく、冬にビタミンDを補うのが良いのではないかという考えのようです。
生化学的にはビタミンDはIL-10という免疫に重要な役割を果たす物質を作るのに必要だそうで、ビタミンDの不足はあまりよくないと肝がられているようです。
ただし、大人ではビタミンDが上気道炎抑制にあまり効果がなかったという論文もあります。結果だけをみると、どうも小さい子供ほど効果があるように感じられます。この理由は明確ではありません。
この論文でも示されていますが、インフルエンザBについては効果が明確でないこと、今回の117人が評価を下すに十分な人数でないこと、血液中の活性型ビタミンD3の濃度、尿中のカルシウム濃度(ビタミンDと関係します)、抗インフルエンザ抗体濃度がそれぞれどうなっているのか分かりません。
まだ上気道炎やインフルエンザを抑える物質とビタミンDを評価するにはまだ早いかもしれません。ただ、可能性は感じますね。
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2011年06月19日