コレステロールは下げた方が良いの?10
これまで腸肝循環、動脈硬化因子をEPA摂取で減らすお話、糖尿病の人では心筋梗塞のリスク要因であるIDLが増加しやすいこと、糖質制限をしてビタミンB、Cを摂取することでβ酸化の観点からも動脈硬化因子を抑えることができることをお話しました。
先週は善玉と言われるHDLのことをお話ししました。ビタミンC、ビタミンEの摂取、ウォーキング、減量(肥満者)でHDLを増やせるそうです。
さて、今週は高脂血症の治療に関する話題です。
最も重要なことは、動脈硬化とそれに伴う疾患の予防が治療の目的であり、そのためにまずは生活習慣から考える必要があります。
食事はまずカロリーと栄養配分が適正化されることが求められます。栄養配分とは、六大栄養素の割合を意識することだと思います。
それでも上手くいかない人に限り、食事を制限していく必要性が出てきます。中性脂肪が高い人は糖質の制限から、カイロミクロン(あまり測定されませんが)が高い人は脂質の制限から行います。
LDLが高い人は、EPAやDHAを摂取することで改善が望まれます。EPAが細胞膜に取り込まれていくことで、心筋梗塞など虚血性心疾患の予防効果が期待できます。
EPAは魚油に多く含まれており、細胞膜にどんどん取り込まれていきます。4~6週間で取り込みが最大になりますが、止めてしまうと2~3ヶ月で元に戻っていくそうです。ですので、EPAを摂取しながら食事内容や肥満、喫煙などの危険因子を排除しながら生活改善を進めていく必要があります。
また、DHAも魚を多食する日本人は多く摂取していると言われていますが、神経細胞の細胞膜にはとても多く含まれているので、神経の機能に大きな働きをしていると考えられます。魚油のようにEPAとDHAは同時に摂取すると有効性が高まるとされています。
さて、来週は高脂血症治療の続き(運動、薬物)です。
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2011年11月11日