対薬理論について

 今日は横浜までこの講演を聞きに行ってきました。
 
 対薬理論という言葉は初めて聞きましたが、なかなか美しい理論なので少し説明してみます。

 中国語は「その通り」ということを「対」と言うことからも分かるように、中国では陰陽のように対称になっていることが正しいこと、当たり前のことのようです。

 これが漢方処方の生薬の構成にも生かされている、というのが対薬理論です。

 一例を挙げますと、六君子湯という処方があります。中に白朮と茯苓という二つの水を動かす生薬が入っています。この生薬は同じような作用の生薬を重ねているということではないのです。

 脾(胃腸の消化吸収力のこと)は湿(湿気ですね)を嫌います。脾は気(エネルギー)を吸収する場所ですが、これが湿により妨害されます。調子が悪くなると、気が吸収できないから湿が処理できないという悪循環になります。

 白朮は気を補うことで水を動かします。一方、茯苓は水を動かす力がそれ自体にあります。従って白朮と茯苓を共に使うことで、上記の悪循環を断ち切りやすくなるというわけです。

 このように同じ働きのように見える生薬も、実は二つの巧みな組み合わせによって処方が組まれていると言えそうです。

 他にもたくさんの例を講師の先生に挙げていただき、大変面白く聞かせていただきました。

メルマガ「実践!新ロハス生活~これであなたも医者いらず」より

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2012年10月21日