風邪と花粉症

季節柄、風邪と花粉症の患者さんが多く来院される。

ところでこの両者、区別が結構難しい。ともに簡単な疾患であり、誰もが区別できると思いたいところであろうがそうでもない。風邪の初期のくしゃみと花粉症が始まった時のくしゃみはなかなか区別できない。

私の場合。まず風邪と思って診察する。鼻内に炎症がないか?口の中を観察し、風邪であればどのくらいのステージにあるのかを考える。そのステージと話の流れと脈の所見が合致したら風邪で確定。何かが食い違う時には、包括的に風邪と判断して矛盾がないかどうかを考える。このときに最も重視しているのは本人の訴える症状である。

いちいちそれを考えていると、なかなか診察も進まないが、この区別が正確にできるようになることが自分としては適当に高いハードルであり、やりがいがある。でも未だに「花粉症がでました」と言って来られた患者さんに「風邪ですよ」と躊躇なく言えるようにはまだなっていない。この前も花粉症として診察が終わりそうになってから疑問が湧いて、診察を風邪として全部やり直したりしている。

結構難しい鑑別なのだが、処方する薬が全く異なるので、明瞭に区別していきたい。こういう考え方は、抗生物質を使うかどうか、ということにつながる内容であると思っている。

2005年02月09日