子供の診察

子供の診察をしていて感じることがある。それは子供の人格に対する配慮である。大人たちにはいろんな配慮の仕方があるものだと感じる。

「はい、○○だけだから」と丁寧に説明してくれる人がいる。これは安心を与える言葉である。しかしもしそれがその場しのぎだったりすると後々子供の不信感は増大する。このような説明にもうそが入らぬように細心の注意が必要である。私は子供であっても事実を説明するようにしている。まああまり効果がないこともあるが。

「大丈夫、大丈夫」となだめるのも同じ。大丈夫かどうかは本人の問題である。大丈夫でなかったときにやはり不審を買ってしまうのではなかろうか?言葉の選び方には注意が必要である。

あとよくあるのは「約束したでしょう?」と子供を責めるパターンである。私は子供は約束を守るものであると思っている。少なくとも少しは我慢しようとしてくれるものだ。その約束のときの状況がどうであったか?ちょっと強引な約束ではなかったか?大人たちはそのあたりを検証する必要がありそうだ。

大人たちはみんな懸命に生活しているため、いちいち指摘することはなかなかできない。しかし子供たちはみな大人が思う以上に物事を理解していると考えたほうが良いように感じている。子供たちにも大人のような接し方をしようとするのが陣内流である。正しいのかどうかは分からないが、自分の子育ての経験からはこれでいいのだと思っている。あらら、あまり医学的な内容ではないですなあ。。。

でも子供が診察室に入ってきて「陣内先生、お久しぶりです」なんて言われると、大人扱いばかりしている私でもちょっとびっくりしてしまう。

★★★

保育園をめぐるさまざまな問題があるように思っている。先日驚いたのは「与薬依頼書」である。本当に文書作成料を算定しようかと思うくらい面倒な書類だった。責められても困るという保育園の立場も分かるが、過度の保身もどうかと感じる。保育園と親たち、保育園とわれわれの関係が疎遠になっているのでこういう事態が生じるのではないかと思う。これは今後の課題である。

★★★

保育園も幼稚園も特色をだそうといろんなイベントを行っている。お誕生会、クリスマス会、運動会などなど。イベントで気合が入るのは良いのだが、その後、こぞって子供たちが熱を出しているのに園の人たちは気づいているだろうか?本当にクリスマスのあとの熱発のお子さんたちは疲れが目立っていた。運動会などはそれぞれ日程が違うから分かりにくいが、よくよく聞いてみると結構イベント絡みのことが多いように感じる。練習も結構過酷な様子。ビデオ撮影なんてするのでよりよいものを、ということかもしれないが、どんなものでしょうか?もう少しシンプルでもいいのでは?

2005年03月10日