子どもにまつわる話

こどもの診察は面白い。けれど大人にはない難しさがあるように思う。難しいからこそ挑戦しがいがあるのもまた事実である。

今日は幼稚園か、というくらいに子どもばかりの診察であった。自分に子どもが生まれる前は、子どもの診察が得意です、と言える事はなかったように思う。ただ子育てに自分なりに真剣に取り組み、いろいろ悩んだりしているうちに、少しやり方が分かってきた面があるように感じている。

子どもは症状を言わないし、所見も取りにくい。圧倒的な情報不足の中であれこれ推論をしつつ、日々診療の精度を高めているつもりである。そんな中で案外、日常生活に落とし穴がたくさんあることに気づかされる。この季節はとにかく寝冷えが多い。私にはこの季節を乗り切るための独自の理論がある。現在うちの子供たちでそれを検証しているところである。そのうち披露することができるかもしれない。

さて、昔は父親が厳しく、母親が甘いという家庭が多かったように思う。私もそういう両親に育てられた。子どもを育てるときに何か威厳のようなもの、筋の通ったものを見せつけるのが私は必要ではないか、と考えている。父親が忙しさゆえに子育てに関わることがだんだんできなくなり、その分、母親がどんどん厳しくなっている感じがする。

果たして母親が子どもに対して威厳を示すことができるだろうか?特に理由はないが答えはNOである。やはり父親には威厳を、母親には優しさを求めたい。これが自然な家族のあり方ではないだろうか?考え方が古いかな?

いろんな子ども達を見ていて感じるのだが、子ども達の精神的な安定をもたらしているのは、父親の子どもに対する接し方と、母親の優しさ特に声かけの量であると思ったので、ついついこんなことを書いてしまいました。

2005年06月19日