成都中医学研修4日目

11月4日土曜日
 今日は実質最終日。講義のあと2つの病棟実習というハードなスケジュールをこなしました。最初の周教授は糖尿病の弁証論治に関する基本的なお話をされ、症例6例について弁証と治療方針について患者さんも交えて詳細に解説いただきました。私はまだ診断名をパッと言われるとなかなかついて行かれないので大変でしたが、基本の大切さをあらためて感じる講義でした。何より私が思ったのは患者さんを前にして、自分の考える治療方針を披露し、その上手くいっている部分と同時に、「まだ今後の治療方針として活血通絡を加えた方がよいかどうか検討している」とか、「清肺解毒の方針をさらに修正していきたい」など率直に自分の考えを述べられたので、率直さがすばらしく思えたのと同時に、医師の自信のある毅然とした態度を見た気がしました。夕方にサイン入りの集合写真をいただき感激しました。
 病棟実習は変更になった其教授でした。061104-1旦那様は中医薬大学五感科(耳鼻科)の教授で、実習に来ておられました。この実習では糖尿病の実際の臨床を拝見しましたが、初めの足を切らなくてはいけないという西医の診断があるにもかかわらず、中医学の力で何人も助けられているという本当に身のある実習でした。血糖自体は西洋薬でコントロールが必要になることもあり、中西医結合の状態だそうですが、合併症の管理は中医学でほとんど管理できると先生はおっしゃっておられました。この実習の一番のポイントは合併症の状態が刻々変化していくわけですが、その状態を状況が変わるたび弁証していき、処方を変えていくきめ細かい管理が必要であるということだと思いました。感染が生じている時と肉芽を盛り上げて上皮化を待つ状態とは全く状況が異なるということでしょう。それぞれに対して中薬を考えていかないといけないということは大変勉強になりました。灸の仕方などの詳しく紹介していただき、陰稜線と足三里を使って治療していました。糖尿病が故の注意点もありました。
 昼食時にはもっぱら中医学と中医学者の日本での立場を良くするにはどうしたら良いのかということで喧々諤々でした。政治力って怖いですね(詳細省略)。その後おみやげを2箇所で少し買いました。
 さて、午後は鐘先生の皮膚科臨床講義でした。皮膚科の中でも尋常性乾癬、蕁麻疹について詳細な解説をいただきました。蕁麻疹も急性、亜急性、慢性と使用する方剤が異なるため、その判断を使い分けが重要であるとおっしゃっていました。再発しやすい疾患が多いため、中薬でもかなり治療には難渋しているように感じられましたが、ステロイドを使用して治療していく疾患が多い中、どのようにその合併症を減らすために中薬を使っていくかということに焦点があったように思います。
 病棟から大学に戻り、私たちは研修の証明証をもらいました(やったーっ)。K先生がデジカメをなくすというハプニングがありましたが、ナント鐘先生が病棟で発見して持ってきてくださったそうです。よかったです。
 その後、教授たちと通訳さんたちと大学関係者の方と私たちで晩餐会を行いました。061104-2私は耳鼻科の熊教授に中医耳鼻科になるには何が大切か?を尋ね、教授は日本の副鼻腔炎治療に関して私に尋ねられました。食事をするのを忘れてしまいそうなくらい話してしまったので、教授と通訳の方がなかなか食事ができなかったです(が、中国流?に気にせずどんどん話をしていました)。奥様の其教授にも午前の講義のお礼を申し上げました。ご夫婦と個人的なことも少し話ができたので、とても面白かったです。最後に本屋で中医耳鼻科の教科書をまた買ってしまいました。そして繁華街を散策してホテルに戻りました。孫文の像とか、百貨店が当地にできたときの様子を示す金属の板が彫られていたり、古い歴史を繁華街でさえ(繁華街だからこそ、かな?)伝えていこうという中国人の態度には見習うべきところが多いと思いました。061104-3
 さらにその後一部の人たちが中医薬大学生のマッサージを受けたとか(詳細不明)。

 今回は、大変に大きな収穫を得ました。それは知己と知恵と自分のやる気です。後から知ったのですが、実は辰巳先生をはじめとする東洋学術出版社の下見隊が料理の味を調節してくれていたということです。そこまでお気遣いいただいた東洋学術出版社の方々にこの場を借りて御礼申し上げます。そして受け入れてくださった成都中医薬大学のスタッフの方たちにも心より御礼申し上げます(中国語では書けない….)。

 私は中国語のワープロ、中日辞典を買うところから始めようと思っています。

2006年11月05日