今週の風邪の動向

 今週はわがクリニックでもインフルエンザの患者さんがでました!2人だけなのですが、A型とB型が一人ずつです。

 例年はA型の流行が終わるとB型の流行が始まるという感じなのですが、温暖な気候のためでしょうか、流行が同時に起こっているようです。

 インフルエンザの流行に関してはこのサイトをご覧下さい。

 ところで、今週東京では花粉がようやく飛び始め「花粉症です」と診察を受ける人が増えてきました。しかし実は8割以上は風邪の患者さんです。

 「のどは痛いけれど、鼻水は出ているし、眼もかゆい」

 のどが痛くなった後に水のような鼻水が出るときには要注意です。風邪本来の形は、鼻水が出てから喉が痛くなるわけです。風邪で眼もかゆみがでます。

 のどの痛みよりも鼻水が後から出るときは、過労とか解熱剤などの影響で、体の防御ラインがズタズタになっていることが多いです。それが証拠に寒気が少しですが出てきます。寒気と鼻水が連動して出てきます。

 この時にはのどの痛みも増しますが、痛み止めを飲むと体温が下がり、かえって防御線が弱くなり、のどの痛みもかえって増していきます。そしてまた痛み止めを飲んでしまうという深みにはまっている人はとても多いです。

 とある1日で考えると、その鼻水に対してのみ使用する麻黄附子細辛湯という処方が14人!(自分で数えても驚きです)、ちなみに本当の感冒初期の水のような鼻水だった人は5人。本当に花粉症で鼻水を垂らして来た人はほんの数人です。

 診察室でよくある会話です。
 「え?じゃああの先週のだるかったのはその風邪の始まりだったの?」
 「なんだ、折角気づいていたのに、対応が遅れましたね。」

 余談ですが、私が東洋医学に傾倒したのは麻黄附子細辛湯の効果を見たときからです。本当に頼りになる処方です。でも使わないですむならそれに越したことはありません。

メルマガ「実践ロハス生活!これであなたも医者いらず」より

2007年02月10日