風邪にとって発熱とは・・?

 診察をしていて気がついたことがありました。

 「熱はでていないから風邪でなくて花粉症でしょう?」

 このセリフを口にする患者さんが1日に数人いるのです。

 「寒気がありますか?」と聞いても「熱はないですよ」と答える人もいるくらいです。

 私は「熱は出ていなくても、風邪は風邪なの!」と説明するわけです。患者さんたちはポカンとしていますが、私は確信をもって言っているわけです。

 特に最近多いのは以前から指摘しているように、くたくたに疲れてしまったか、解熱剤の乱用によって体が芯から冷えてしまい、鼻水やくしゃみがでている人です。脈をとって簡単な問診だけですぐにこの状態はわかります。熱を生む力がない人たちです。

 しかしそうでなくても、単なる風邪で病初期に鼻水がどーっと出て、その後は少し収まってきたけれどやっぱり花粉症かなあ、ということを言う人たちもたくさんいるのです。

 みんなが「風邪でない!」と主張する根拠は「熱がない」ということなのは分かる気もしますが、熱を生むことができない体になっているということもある、ということを知っていただきたいです。

 だんだんエアコンがどこにでも入る時期になってきました。昨今では夏に汗をかけない人が増えていると聞いています。いつもいつも、室内環境にも配慮しなければいけない嫌な世の中になったものです。

 自分が熱を生む余力があるのかどうかを意識するのは難しいですが、疲れ果てて、いつも寝汗だけでる、つまり寝ている間に少しだけ放熱する、という状態は避けたいものです。寝汗はバリア機能の破綻であることが多いので。子どもは別ですけれどね。

メルマガ「実践ロハス生活!これであなたも医者いらず」より

2007年05月27日