風邪の脈に関する一考察

 何故、風邪をひくと脈が浮いて、だんだん沈んで、また元にもどるのか?こういう一見馬鹿馬鹿しいことを真剣に考えることが重要だと思うのです。

 西洋医学の先生たち(私はちょっと外にいるつもりです)からは、「脈の浮き沈みなんて考えられない!脈の数の多い少ないが重要だろう」と教科書に書いていないことは、考えても無駄と思っている人が多いのです。

 しかし脈の細かい変化は現実に存在します。実は脈に関する細かい考察がなされている本があります。血液の流量が増加すると解剖学的に脈が浮いて、元に戻ると脈が沈むという考え方です。

 ★「鍼灸医療への科学的アプローチ」★(少し専門的に知りたい人向け)
 水嶋丈雄(著)、三和書籍(2005/09)
 
 ただ、この本でさえ、脈の浮き沈みを厳密に言い表したとは言い難いです。風邪のときに生じているのはもっと単純な現象かもしれません。免疫に関する細胞は血管の中にありますから、血管がある位置が免疫的に最も有利な場所であろうと私は考えました。

 すると風邪の初期に免疫の中心を体表に持って行くために脈が浮くこと、その後だんだん風邪が体内に進行していくに従って血管が沈むことは、免疫を最も効率よく働かせる体の適応のように思えるのです。サッカー日本代表がトルシエ監督時代に、ディフェンスラインを上げたり下げたりしていたのを思い出します。そんなイメージです。

 何も証拠はありませんが、人間の体はこれくらい精巧にできているのではないでしょうか??

メルマガ「実践ロハス生活!これであなたも医者いらず」より

2007年12月30日