ストレスに関する考え方5~うつ2

 ストレスにより、肝の疎泄機能が障害されたときに肝気鬱結はよく起こります。そのときにどうしたらよいのか、具体的に知りたいという質問をいただきました。ありがとうございます。

 うつ証というのは何かが詰っていることを意味しています。漢字だと「滞」「積」「不通」を使います。数日のうつ様状態であれば、睡眠により改善する可能性があります。

 この気詰まり状態を通じさせるということが治療の基本になります。敢えて言うならば、漢方薬なら柴胡剤が基本になるでしょう。加味逍遥散などが基本の処方になりましょう。軽症であれば理気作用のある香蘇散でもよいかもしれませんね。

 香蘇散は紫蘇の発散性を用いた処方です。あまり詳しくないので、もしも誤りがあったらどなたかに修正していただきたいのですが、発散性のあるアロマオイルも効果があるのではないかと考えます。レモン、グレープフルーツ、ジャスミンといったところでしょうか。これらは予防、もしくは軽症向きでしょう。

 肝の障害が長期間になると、肝と胆の経絡が障害されます。頭痛は確かに側頭部に多く生じる傾向があります。ストレスが長期間生じているために、脈にも影響が出てきます。弦脈と言って、ギターの弦のようにピーンと張った脈が生じます。この脈の患者さんがこのところ大変に多い印象があります。

 明らかに脈が弦になっているのにストレスなど感じないという方も少なくありません。何かがストレスの感情を抑圧している可能性もあるため、私は患者さんの話よりも脈が弦脈になっていることの方を重要視しています。ストレスを受けていることに体は反応していると考える方が自然な感じがします。

 弦脈は睡眠不足で簡単に作ることができます(みんな作れるかな?)。私は自分で脈を取りながら、弦脈の傾向がでてきたら、休むように心掛けていますよ。

 次回は、肝気鬱結により胃腸にまで症状が及んだ状態である、肝気犯脾より治療を調べてみます。

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2008年10月18日