ストレスに関する考え方7~うつ4

 肝気鬱結が長期化したときに生じる臓腑の障害について解説します。伸びゆく肝の性質は、それを十分に外に向かって発散できないとき、例えばストレスをかけられたときに、働きが悪くなります。これが肝気鬱結です。気が鬱した状態と考えて下さい。

 さて、この状態が長期化することで影響を受ける臓腑は何でしょうか?

 ―― それは脾(消化器)と心(頭と精神と血脈)です。

 <脾>
 どうして脾が影響を受けるのか、実はよく分かりません(悩)。肝気鬱結で脾が傷害されることは当然?のことのようです(誰か教えて!)。肝気犯胃から脾気虚(消化器のエネルギー不足で、消化吸収が上手く行かない状態)になり、体のエネルギーが全体に減少してしまいます。

 気持ちが沈むと倦怠感が生じ、食欲不振になる、ということは経験された方も多いでしょう(やはり常識なのかしら?)。そして診察としては、舌の色が淡くなり、脈は力がなく(弱脈)、細くなります(細脈)。

 <心>
 次に心。肝は血を蔵しています。肝気鬱結により肝血が消耗すると、五行の次の臓器(子臓)である心の血も不足します。血不養心というそうです。

 復習ですが、五行でいうと、肝(木)→心(火)→脾(土)→肺(金)→腎(水)→肝・・というサイクルで影響を与えます。ですので、肝の影響は心に出てしまうのですね。

 肝血虚から心血虚という状態になると、心不蔵神という状態になり、精神的に不安定になったり、めまい、顔面蒼白などが生じます。心は血脈も制御していますので、動悸がすることもあります。

 私も医学部時代に卒業試験のときに動悸がして内科を受診したことがあります。睡眠不足で自律神経が失調したと思っていましたが、ストレスから肝気鬱結になり、心血虚から動悸がしたのかもしれないですね。

 漢方薬の選択は、安神作用(心を安定化させる)を持つものが基本、あとは脾の状態も改善するかどうか、ということになります。心脾双方に対して効果が出る処方としては帰脾湯(きひとう)が代表的でしょうね。帰脾湯には安神、補血、補脾、すべての要素がバランスよく含まれています。

 内科に受診しておられる方の中にはあるいは、消化器だけ、メンタルな問題だけ、という対応になっている方がいらっしゃるかもしれませんね。

 次回から私もよく知りませんが、認知症についての勉強をご一緒しましょう。説明できるかな?(笑)

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2008年11月02日