インフルエンザ~ちょっと興味深い話題
先週は軽症のインフルエンザを脈で見つけ出す作業についてお話ししました。やはりこの方法は有効で、あまり熱のないインフルエンザも見つけることができています。ただ、違うことも少なくないのと、本当に全て見つけているのか?それが心配ではあります。
さて今日は、インフルエンザのちょっと興味深いな、と思ったことをお話します。インフルエンザワクチンの話です。
インフルエンザワクチンを接種されている方も多いと思います。私もかなりの方に接種をしてきました。そしてこの1週間は1日に2人くらいずつのインフルエンザ患者さんを診察してきました。
でも正直なところ、インフルエンザワクチンがどのくらいの効果を挙げているのかよく分かりません。そして今日はとうとう2回接種しているお子さんにも発症を確認しました。やはり少し軽症でしたけれど。
常識的には感染を防御するのは粘膜の免疫が主体だと思います。その粘膜のインフルエンザに対する免疫抗体価が、ワクチンによってどーんと上がるということはないということを本日の講演会で聞きました。
もともと血液中の抗体価が低い、もしかしたら重症になる可能性のある人たちの抗体価は通常の値くらいにはなるようですので、ワクチン接種によって死亡原因になるような重症肺炎などの危険はかなり少なくなると言えるでしょう。
そういうことですので、ワクチン接種をしたからインフルエンザにかからない、ということにはなりません。もしかすると軽症過ぎて、普通の風邪のように扱われているだけかもしれません。このことが逆に感染を広げる原因にならないと良いのですが。
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2009年01月11日