(中医学)六腑の講義から3~膀胱2
五臓に関してはバックナンバー173~181号を参照してください。
五臓六腑の話はある程度理解が行かないと面白くなりません。漢方を学ぶ医師も最初のこの段階で挫折します。それは、西洋医学の臓器と東洋医学の臓腑の違いを受け入れられないからだと思います。どの代替医療を勉強しても五臓六腑の話は出てきます。恐らく真理に近いからでしょう。
私が3月に受講した下谷武志先生の「次のステップを目指す中医学講座」はその理解をを絵画と音楽でイメージしようという画期的なものです。何となく分かる程度で結構ですから、少し我慢して読んで下さい。文責は陣内です。
膀胱は「生きるための逃走」のイメージでした。毒から逃れるために、尿を外に排泄するというのは、生き物にとっては最重要と言える働きでしょう。したがって膀胱の働きは生命力に直結します。
膀胱をイメージする絵画として、アンドリュー・ワイエスの「クリスティーナの世界」(1948年)を下谷先生は挙げられていました。この絵画に関する詳細はテレビ東京系「美の巨人たち」で30日に放映されます。是非ご覧下さい。
実際の絵はこのサイトに載っています。
ワイエスは病弱なクリスティーナに生きる力を感じて絵を描いたようですが、下谷先生は逃げるのに疲れた絶望感と解釈されています。先にある家に救いを求めているようにも感じられますが(笑)。
膀胱に関わる主な処方としては、八味地黄丸が挙げられます。
膀胱に八味地黄丸が効果を現すと書いているものはありません。しかし裏表関係にある腎(こちらが裏です)を補うことにより、表にあたる膀胱にも、その影響が及ぶのだと思います。
さて次回は、胆について考えてみましょう。
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2009年05月10日