日本アーユルヴェーダ学会に行ってきました

 このたび日本アーユルヴェーダ学会で、初級中級の講座がありましたので、受講してまいりました。食事のときに食前の生姜と、食後のフェンネルを配布するようなユニークな学会です。

 一番驚いたのはマッサージの効果ですね。手のひらを上に向け、手首の数ミリ腕側(中枢側と言います)の正中部をマッサージすると、急に気が通るのでビックリしました。

 そのときには理論を習いませんでしたが、中医学的には陰維脈という奇経を内関というツボ(主治穴)で刺激したようです。手背の同じ場所に外関というツボがありますが、これは陽維脈の主治穴です。自分のこれらの奇経が流れていない(具合が良くなった=普段は悪い)ことに少しショックを受けました。

●アーユルヴェーダのホメオパシーの一番の違い

 先日、日本ホメオパシー医学会のご署名をお願いしました。これは日本学術会議が、ホメオパシーを用いるのは適切でないという批判を受けてのものでした。

 確かに、ホメオパシーは波動医学であり、学問としての根拠が科学者には曖昧に映ってしまうということは否めません。

 私は西洋医学者ですが、波動医学を診察に織り交ぜて使っているので、ホメオポシーも西洋医学と共存できるという考えなのですが、二つだけ西洋医学になじまない部分があります。

 一つは効果を出すために溶液を振らないといけないこと、もう一つは濃度が薄いレメディの方が強い効果がでることです。これがどうしても西洋医学になじまないですし、ホメオパシーを実践する側も副作用がない、などと言ってしまうので(私は嘘だと思います)、西洋医学と対立してしまいます。

 今回、日本アーユルヴェーダ学会に参加して強く感じたのは、アーユルヴェーダは西洋医学の理論と並列して存在できる学問であるということです。むしろその科学的根拠をサポートする東洋的根拠を矛盾なく与えてくれます。

 例えば細胞の構造に関してですが、各酵素による反応とミトコンドリアによるエネルギー産生はピッタ、形質膜内外のイオンなどのやり取りはヴァータ、細胞質と細胞膜による形態維持はカパの働きということで説明がつきます。

 アーユルヴェーダとホメオパシーは統合医療の中では並列の扱いですが、西洋医学の理論と対立しない東洋医学の理論であるアーユルヴェーダの方に、私は大きな可能性を感じました。

●アーユルヴェーダは肉体も心も循環の思考

 アーユルヴェーダでは予防を重視します。これは中医学と相通じるところがあります。体質を3つ(ヴァータ、ピッタ、カパ)に分類し、それぞれに行うべきことが異なります。中医学でも寒熱や燥湿、虚実などの組み合わせで体質を分類しますよね。西洋医学はデータ重視ですので、どうしても個々の内容に関しては弱くなります。

 食物に関しては自分でないものを自分にするので、その変換がスムーズでないことをとても嫌います。そのときの消化力に見合った食べ方が求められます。そして便などの老廃物が自然を巡って、また自分に影響してくるという循環思考です。これは自然保護の考え方にも繋がります。

 メンタル面も同様で、自分が感じたことを言動にすると、それが他者に影響を与え、それが環境に変化を与え、その変化がまた自分の感覚に影響を与える、そういう循環になっています。ここからは規律が生まれ、冷静さを求められることになります。社会の規範が自然に生まれるシステムなのですね。

 このようにアーユルヴェーダでは言葉もとても大切にしています。講義の前に先生が、必ず歌で祈りを捧げてから講義をされていたのが印象的でした。

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2010年10月24日