花粉症~目症状への対応策

 みなさん地震に目を奪われていますが、花粉症もピークを迎え、クリニック内もかなり混乱しています。

 はなこさんで花粉飛散の様子を見ますと、今年は完全に東高西低になっています。関東地方はピークを過ぎ、これから北陸、東北地方で飛散が多くなると考えられます。

 さて、診察をしていますと、目の痒みを何とかして欲しい、という訴えをとても多く耳にします。どの医師でも対応できるような簡単な解決策がないものかと思い、いろいろ見ておりましたが茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)という漢方薬がかなり効果的に目の痒みの波動を抑えてくれます。 

 茵蔯蒿湯の効果があるとして、目の痒みの病態をどう考えたらよいでしょう?

 - 通常は病態が分かっていて処方を選択するのですが、私は効果が出る処方をみて、病態を再検討するということをいつも考えています。 –

 茵蔯蒿湯は口内炎、じんま疹、皮膚瘙痒症、血清肝炎、流行性肝炎、カタル性黄疸、腎炎、脚気に効果を示す漢方薬です。特に黄疸を抑える力が強い処方です。
 
 肝胆湿熱といって、ストレスなどによって熱が生じ水と結びついて症状を示す場合に用いられます。山梔子(さんしし;くちなし)が湿熱邪を尿から、大黄が湿熱邪を便から排泄します。

 以上のことから花粉症の目症状に関して考察すると、ストレスが多い社会の中で、生じた熱が涙と結びついて肝胆湿熱証が生じて目の症状を呈するのではないかと思います。

 であるなら、睡眠を十分に取る、入浴などでリラックスする時間を増やす、足の冷えを除く、散歩などで日頃から下半身を鍛えるなどのことが有効であろうと考えます。

 今後、臨床的にどのくらい効果があるのか見守っていこうと思っています。

メルマガ「実践!新ロハス生活~これであなたも医者いらず」より

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2011年03月20日