なぜ体温が高い方が体に良いのか?

 ミトコンドリアの専門家である太田成男先生の著書を別ブログで紹介していますが、今日は安保徹先生のご講演を拝聴してきたので、そこでのミトコンドリアのお話を書いてみたいと思います。

 体がエネルギーを得る系は主に2つで、解糖系とTCAサイクルというものがあります。無酸素状態では前者が、有酸素状態では後者が働きます。ミトコンドリアは後者に関わります。

 ミトコンドリアが少ない細胞は無酸素状態でも分裂し、分裂に最適な温度も体温よりも5度程度低いのです。骨髄、消化管、皮膚、精子がこれにあたります。生命現象に直結する細胞が多いですね。

 ミトコンドリアが多い細胞は有酸素状態にあり、分裂はあまりせず、高度に分化した細胞が多くみられます。心筋細胞、脳細胞などがこれに該当します。人間はこれらの細胞が効率よくエネルギーを生み出せるので、細胞が種々に分化して高度な機能を獲得しています。

 ここからが「体温を上げると・・」の安保先生らしいお話なのですが・・。

 体温がもしも低くなってしまったらミトコンドリアが働けません。そこで、細胞は普段はあまり重要視していなかった解糖系で何とかしようとします。

 しかしエネルギー効率が悪いので、長期間になってきますと、高度に分化した細胞群(私たちのことです)を維持することができなくなります。見た目にはやつれてきます。

 実は癌細胞はミトコンドリアが少ない細胞なので、体温が低くなると増殖しやすくなります。逆に体温を上げると、体の各部位の高度な機能(恐らく免疫細胞も含まれるのだと思いますが)も活発になり、癌細胞自体も増殖しにくくなります。

 体温が低い状態で働き続けるのは良くありません。リラックスして体温を上げて、ミトコンドリアを働かせることが、癌予防をはじめとした何よりの体調管理になるのです。

 安保節全開の45分のご講演でした。

メルマガ「実践!新ロハス生活~これであなたも医者いらず」より

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2011年06月25日