たんぱく質摂取不足から生じる影響について2

 先週はたんぱく質の摂取不足の影響について考えてみました。

 アルブミンが不足して浮腫や腹水の原因になったり、乾燥肌、咽頭痛の原因にもなることをお話しました。また、慢性炎症、肝臓病などでアブルミンが消費されてしまうことにも注意を払う必要があります。

 いつも気まぐれなこのコラムですが、もう少したんぱく質のことを書こうと思います。

 栄養療法をしていて、いつも壁に突き当たるのは、摂取したサプリメントが十分に吸収されないことです。

 胃にピロリ菌がいるときには、まずその治療をするわけですが、元々吸収力が弱いひともいらっしゃるわけで、そういう場合には投与方法に少し工夫が必要になります。病状によるたんぱく関連製剤の使用方法も考える必要があります。

 ちなみに下記は『がんになったら肉を食べなさい』を参考にしています。

 たんぱく質が単純に吸収されないので補充したい場合には、必須アミノ酸を中心に補充していくことになります。必須アミノ酸とは、体内では合成できないアミノ酸で、筋肉、血液、骨などの合成に欠かせないアミノ酸のことです。たんぱく質よりもアミノ酸の方が分子が小さいので吸収しやすいのです。

 浮腫や腹水を抑えたり、慢性炎症などでアルブミンの消費に対応したい場合、特に肝蔵病があるときには分枝鎖アミノ酸を中心に投与します。肝臓病では分枝鎖アミノ酸が特に低下して、肝性脳症という病気になりやすいためです。
 
 また、抗がん剤や放射線療法などのストレスにさらされる場合にはグルタミンを中心に投与します。グルタミンは腸管のエネルギー源になります。治療により食欲が落ちるのを防いでくれます。また、免疫に重要なリンパ球もグルタミンが必要なのだそうです。

 たんぱく質やアミノ酸を工夫して使用することが重要なことが分かりますね。

メルマガ「実践!新ロハス生活~これであなたも医者いらず」より

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2011年08月19日