コレステロールは下げた方が良いの?8

 これまで腸肝循環、動脈硬化因子であるカイロミクロンレムナントをEPA(エイコサペンタエン酸)摂取で減らすお話、そして先週はLDLの代謝産物であるIDLが心筋梗塞のリスク要因であること、糖尿病の人ではIDLが増加しやすいことなどをお話しました。

 さて、VLDLとLDLの観点から、動脈硬化を抑えるためにどのような栄養素を摂取するのが望ましいでしょうか?

 まずVLDL高値を抑えることが重要ですが、そのためにはβ酸化の経路を正常な形で維持することが必要になります。

 β酸化とは、脂肪酸を酸化してクエン酸回路に送り、エネルギーを取り出す経路のことです。この経路を維持するには、糖質摂取を制限する必要がでてきます。糖質を摂取していると、クエン酸回路が回り、それ以上に酸化脂肪酸でクエン酸回路を回す必要性がなくなるからです。

 また、ビタミンCが不足すると、β酸化に障害がでるため、十分量のビタミンCを摂る必要があります。さらにβ酸化の過程でビタミンBが必要になるため、これも補給が必要でしょう。

 カイロミクロンレムナントのところでも出てきましたが、β酸化とは無関係ですが、EPAを摂取することでVLDLの合成も抑制されるため、EPA摂取も重要になってきます。

 LDLが酸化されることも動脈硬化の原因になります。それを防ぐために、ビタミンEやβカロチンといった油性ビタミンがLDLに十分含まれていることが重要で、またビタミンCやフラボノイドの十分な摂取によりLDLの酸化が抑えられます。

 さて、次週は善玉と言われるHDLに関することを中心にお話する予定です。

メルマガ「実践!新ロハス生活~これであなたも医者いらず」より

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2011年10月29日