インフルエンザの漢方治療について

 気候がだんだん温かくなるにつれて、インフルエンザはまだ勢いがあるとはいえ、少しずつ収束の方向が見えてきました。

 そんな中で、インフルエンザの治療に麻黄湯が持てはやされていますね。

 麻黄湯は確かに、インフルエンザのような強い邪気を払うのに有効な処方です。しかし体内の全ての気を動員して邪気の攻撃を防ぐので、だんだん自分の体の守りがおろそかになっていきます。サッカーでキーパーも攻撃にでていくようなイメージですね。

 ここでよく考えてみて下さい

 インフルエンザウイルスが減少してきたときに、咽頭炎がひどくなったり、引き続いて生じる副鼻腔炎や気管支炎がひどくなったときに、体を守る免役力が残っているのでしょうか?

 上手く邪気が払われて、症状が治まった時には良いのです。そういうことが多いでしょう。しかしそうならなかったときに、もう少し体を守りながら注意深く攻めるべきだったと後悔しないかと心配になります。

 そこで私は葛根湯を使うことをお勧めします。診察の中でも私は葛根湯を中心に使います。麻黄湯よりもいくらか守りの内容が含まれていることと、葛根はコリを取ってくれるので、インフルエンザのときのこわばりに効果的だからです。

 葛根湯は効果を高めるために、お湯で飲むようにしましょう。 

2012年02月26日