上品・中品・下品について

 漢方薬を処方していると、どうしても気になることがあります。それは、生薬の性質です。とくに長期に連用しても問題ないものなのかどうかが気になります。

 そこで、その指標となるのが上品(じょうほん)、中品(ちゅうほん)、下品(げほん)という考え方です。参考サイト 
 上品とは、長期に連用しても問題がなく、食品とほぼ同じ扱いでよい生薬です。このサイトでは、ハトムギ(ヨクイニン)、人参、甘草、ゴマなどが挙げられています。

 上品といっても、甘草は大量に使用する場合には、電解質異常が生じる恐れがあるなど、一定の服用ルールは必要でしょう。

 中品は上品よりも少し副作用の可能性がある生薬で、長期連用には注意が必要な生薬です。風邪によく使われている葛根湯の中には、中品が多いのです。葛根、麻黄、芍薬と3つも中品が含まれています。風邪のときには良いですが、肩こりで葛根湯を長期に連用されている方は注意が必要でしょう。

 下品は作用が強く、毒性もそれなりにある薬です。西洋薬をこの分類にあてはめるなら、この下品に該当するでしょう。こういう生薬を用いるときには上品も絡めて作用は強く、副作用は弱くするように処方構成をしていることが通常です。

 しっかり効果がある処方を長期に服用しても、副作用が出にくいのはこういう配合の妙があるからでしょうね。

メルマガ「実践!新ロハス生活~これであなたも医者いらず」より

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2012年04月15日