ネット社会の功罪について

 世の中、総ネット社会の様相ですが、果たして私たちの生活は便利になっているのでしょうか?

 私が初めて電子メールに触れたのは1992年でした。留学帰りの先輩医師が、私の研究をみて、その研究の第一人者のアメリカの日本人研究者に連絡を取ってくれたのでした。もちろん私のメールアドレスは存在せず、当時の大学医局のアドレスを使って送信していました。あまりの便利さと気軽さに絶句した覚えがあります。

 でも今では電子メールは当たり前のツールとなり、誰にメールしても返信は数日以内。大抵は数時間以内に返事が届きます。

 昔はトランシーバーを持つことに憧れたものですが、今ではみんなが携帯電話を持つようになり、トランシーバーどころか、有線の電話まで廃れてくる有様です。みんなどこででも遠くの誰とでも気軽に話すことができるようになりました。

 情報のやり取りが速くなり、その分自分の仕事量も増え、忙しくなったと感じている人が多いのではないかと思います。

 ところが私たち人間はそんなに変わりません。食事の回数や量も変わらない、睡眠時間も以前と同じ、いやストレスが増えた分だけたくさん必要なのかもしれません。

 人間の体に合った情報量の中で暮らしたいと思うことがあります。なぜなら、電子メールをやり取りする以前も、携帯電話をもつ以前も、そんなに不自由は感じていなかったからです。

 あの頃に戻れるとは思いません。メールマガジンだってブログだって、ネット対応が前提ですからね。

 でも私は忙しくなればなるほどに、もっと近くの人たちを大切にして生きたいと思うようになりました。緩やかに戻れないかなあ。

メルマガ「実践!新ロハス生活~これであなたも医者いらず」より

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2013年03月24日